働き方

「働き方改革」は誰のためか 企業と従業員にあるギャップ (1/2ページ)

 長時間労働の是正や多様で柔軟な働き方を選択できるようにする「働き方改革関連法」が4月に一部施行されてから、4カ月あまり。残業規制や「テレワーク」(在宅勤務など)の推進などの取り組みを進める企業が増える中、社員からは「休みが増えても仕事は減らない」と不満の声も聞かれる。経営側と従業員との間に横たわる「ギャップ」。専門家は「何のための働き方改革かを再確認すべきだ」と指摘する。(手塚崇仁)

 隠れ残業も…

 「業務量は変わらないから、結局は持ち帰って仕事をする羽目になる」

 生命保険会社に勤務する男性会社員(28)は、ため息をつく。働き方改革により、会社では原則、午後8時以降の残業は認められなくなった。

 業務時間内に業務が片付かず、会社に内緒で資料作成などを私用PCで行う「隠れ残業」をしている人もいる。「残業したくてしているわけではないが、仕事をした時間に対し、正当な対価を受け取りたい」と“本音”をこぼした。

 「自分の上司は働き方改革に理解があるが、隣の部署は有給休暇などの休日でも、上司から頻繁に連絡がある」と語るのは、金融機関に勤める女性会社員(28)だ。上司によって働き方改革への意識や理解度が異なる現状について、「取り組みの趣旨や意図が、管理職の側で統一化されていないように感じる」と打ち明けた。

 改革進むも

 NTTデータ経営研究所(東京都千代田区)などがインターネットを通じて今年5月に実施した調査によると、働き方改革に「取り組んでいる」と回答した企業の割合は49・3%と、4年連続で増加。増加幅も昨年度比で10・4%と、過去最高になった。

 一方で、「取り組んでいる」とした企業の従業員に自社の働きやすさについて尋ねたところ、「どちらともいえない」「どちらかといえば働きにくい」「働きにくい」と回答した割合が計35・8%。企業側の意図が従業員に十分浸透しているとは言い難い現状が浮き彫りになった。

 同研究所の加藤真由美シニアマネジャーは、「残業規制などの取り組みは働き方改革の第一歩として評価できる」としつつ、「今後は従業員が納得感を持って『働きがい』を感じる職場づくりが重要になる」と話した。

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