働き方

「残業美学」「暑い、暗い、狭い」 厚労省のブラックな職場環境が明らかに (1/4ページ)

 「厚労省は人生の墓場」「残業することが美学という認識がある」--。「働き方改革」の本丸とも言える厚生労働省で8月26日、若手を中心にまとめた、改革を要望する提言が発表された。

 若手職員らで構成される厚労省改革若手チームが「緊急提言」として、「厚生労働省を変えるために、すべての職員で実現させること」というスライドを公開。全55ページの中には、民間企業でも課題に挙げられるような「職場の問題」が、厚労省でもまん延している現状が示された。元号が令和に変わり、間もなく4カ月。新しい時代に沿った働き方が模索されている中で、そのトップランナーであるべき厚労省の「周回遅れ」な実態が浮き彫りになった形だ。

 2019年4月に発足

 厚生労働省改革若手チームは、19年4月に発足。厚労省の20~30代を中心とした38人で構成される。業務や組織の在り方や、厚生労働行政の方向性について議論し、厚労省の改革につなげることを目的に生まれたチームだ。今回の緊急提言に際しては、厚労省の約3800人に対してアンケートを2回実施し、述べ回答数は2267件を得ている。また、退職者や他の省庁、民間企業にもヒアリングを行い、内外からさまざまな意見を取り入れることで、今回の発表に至った。

 “やりがい搾取”の現状

 スライドの冒頭では、一部職員や元職員らから若手チームに届けられた声を紹介。現職からは「厚生労働省に入省して、生きながら人生の墓場に入ったとずっと思っている」「毎日いつ辞めようかと考えている」「残業することが美学(残業していないのは暇な人)という認識があり、定時に帰りづらい」という声が上がった。

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