自分と弊社の古株メンバーとのやり取りを創業時から振り返ってみると、お互いの距離感を掴み、信頼関係が構築できたからこそ、タメ口で接するようになったように思います。少し砕けたような印象を与える言葉使いであっても、「ちゃんと敬意を持って接していることを理解してくれる相手だ」と安心しているからこそ、タメ口での会話が増えていったということです。
古株のメンバーはまだ社員数が少なかった分、一緒に過ごす時間や仕事を共にする時間も多かったです。意識はしていなかったですが、このサイクルが短いスパンで繰り返され、信頼関係の構築につながっていたのだと思います。
それと同時に思ったことがありました。それはぶっちゃけた話になりますが、「敬語を使っているほうが楽」ということです。それは当たり障りないからです。敬語を使い続けていれば、相手に悪い印象を与えるリスクは減ると思います。しかし、敬語が関係性の向上や構築にコミットしているとは思えません。
敬語で示す「対等」な姿勢
今回お話しした私の考えの根底にあるのは「性格」です。私は経営者だからと言って、「自分が偉くて、従業員が下だ!」と思ったことは一度もありません。ですから、入社してくれた従業員に対して、いきなり「タメ口」で話すことは多分この先も無理だと思います。
面接の際でも同じです。会社と人、面接する人とされる人。お互いが興味を持ち、時間を共有し、情報を伝え合う。これはまさに対等な立場で行われるべき行為だと思います。受付嬢だった時から、面接官になった際は意識し続けていることです。
敬語を使っていないから「敬意がない」わけではありません。敬語を使っていれば常に敬意を表していることになるかと言われれば、そうでもありませんよね。大切なことは「言葉の表現」よりも「気持ちの表現」だと思います。それは、口先だけの表現よりも、「姿勢」を表現していくということを表すと思います。「部下には敬語で接するべきか、タメ口で接するべきか」。このテーマの正解はひとつでないと思います。上司の数だけ接し方が存在すると思いますし、部下の数だけパターンも存在すると思います。
冒頭の会食に同席していた弊社スタッフから後日このようなことを言われました。
「橋本さんがいつもどの社員にも敬意を払っていることは敬語でもそうでなくても伝わっていると私は思います。橋本さんが私に敬語を使っているからといって、距離があると感じたことは特にありません」
この言葉に救われました。私もこれから先、何かをきっかけに従業員に対する言葉使いが変わることがあるかもしれません。しかし、まだしばらくこのスタンスで行こうと思います。
【元受付嬢CEOの視線】は受付嬢から起業家に転身した橋本真里子さんが“受付と企業の裏側”を紹介する連載コラムです。更新は隔週木曜日。アーカイブはこちら