社会・その他

最高裁判所判事に就任した林氏が会見 「真相に迫った良い解決を導きたい」

 前東京高裁長官の林道晴氏(62)が2日、最高裁判事に就任した。「紛争にはそれぞれ個性がある。実態をしっかりおさえ、事件や紛争の真相に迫った形での良い解決を導いていきたい」と決意を語った。

 判事生活の多くを司法行政分野で過ごし、裁判所組織に精通した裁判官として知られる。民事訴訟法の改正(平成10年)にも深く関わった。来年2月から全国9裁判所で民事裁判のIT(情報技術)化が試行され、訴状や準備書面をインターネット上で提出できるようになるが、「世の中はITのレベルではなく、AI(人工知能)だ。判決文を全て公開し分析するなど、AIにはかなり使える要素がある」と来(きた)るべき「e法廷」を見据える。

 最高裁事務総局の経理局長時代には東日本大震災の被災地に赴き、「裁判所が被災者の受け入れ以外に何ができるのか」と自問自答しながら対応に当たった。

 司法研修所教官や首席調査官などを歴任し、人材育成にも携わった。部下の話にも耳を傾ける親しみやすい人柄で、「モチベーションを引き上げるのがうまい」(ある裁判官)と裁判所内での信頼も厚い。

 東京都が大手金融機関を対象に導入した外形標準課税(銀行税)をめぐる訴訟に、東京高裁の陪席裁判官として携わった。1審に続き2審も都側敗訴の結論に変わりはなかったが、夏休み返上で判決理由の論理を検討。1審の結果に激怒していた当時の石原慎太郎都知事も、かなり納得した様子を見せ、「判決の理由付け次第で反応が変わる」と感じた。訴訟は最高裁で和解が成立した。

 法律の解釈は固定的ではなく、創造的な作業だという。「事件の背景や経緯、実態、真相を絶えず突き詰めようとする努力をしたうえでの判断をしたい」

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus