社会・その他

ビジネスの「謝罪・お祝い」、何を持参する? 百貨店のプロに聞いてみた (3/4ページ)

 さまざまな事情を考慮して実際に購入する際、気になるのが“相場”だ。加瀬さんは「金額から入るのではなく、相手の気持ちに沿ったうえで、さりげないものを選んだ結果として、3000~1万円におさまるくらいに考えたほうが良いでしょう」とアドバイスする。ただ、「大げさになりすぎない」ものを選ぶと、3000円や5000円程度に収まるケースが多いようだ。

 1万円程度の詰め合わせセットという選択肢もあるが、どうしてもサイズが大きくなりすぎてしまう傾向がある。「予算は1万円で!」と要望するお客もいるが、その際には、単価が高くてボリューミーにならないような提案をしているという。例えば、名の通った老舗和菓子店の商品ならば、他店のものよりやや高額なケースが多いので、かさばりにくくなる。また、知名度があるので“相場感”も相手に伝わりやすい。

 包装紙や箱のデザインについては、派手なものは避けるべきだ。なるべく大人しく、シンプルなパッケージが好ましいという。

 お祝いの贈り物をする際に注意すべき点は?

 気持ちが重苦しくなる謝罪と比べれば気楽に選べるのがお祝い関係の贈り物だ。お祝いのシーンはさまざまあるが、西武池袋本店に特に多く寄せられる「(定年などによる)退職者向け」「還暦や米寿といった節目となる年齢を祝う『賀寿』」に分けて解説する。

 まず、どちらのケースにも共通することだが、基本的におめでたいことを祝うためのものなので、謝罪と違い、トレンドを反映したり会話が弾んだりするような商品を選ぶという選択肢が出てくる。ただ、退職祝いを受け取った相手が「内祝いをどうしよう」と悩んでしまうケースがある。そのため、加瀬さんは「過剰なものは避けましょう」とアドバイスする。

 定年退職し、別の職場で働くことが決まっている人には何を贈るべきか。相手の嗜好がよく分からない場合、いくらあっても困らないネクタイやベルトといったビジネスアイテムが選ばれることが多い。ただ、相手の働き方によって必要なものが異なるので、その点は注意したい。性格や好みがよく分かっていれば、ゴルフグッズや酒なども選択肢になりうる。

 定年退職後、自宅でゆっくりすることが決まっている人に対してはどうか。一般的に、高齢だったり、社会的地位が高かったりすると、ビジネスの場や家庭で日常的に使うものは一通りそろえている可能性が高い。また、最近は不要なものをどんどん捨てようという風潮も高まっている。もらった相手が負担に感じそうなものは避けたほうが無難だろう。

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