働き方

働きたいと思うのか 氷河期100万人支援に見る、政府の真の狙いは (4/4ページ)

 人手不足が深刻な職場は、きつく、また給料が見合わないことが多く、だからこそ人材が集まらないともいえる。そういうところに正社員になりたいのに不本意ながら非正規雇用で働く人や長期無業者が働きたいと思うだろうか。彼ら・彼女らにとっては正社員にはなりたいが、できればやりたい仕事で正社員になりたいと思っているのではないか。長期無業者の中にはいったん就職したが、職場で理不尽な扱いを受けたことで継続就労を諦めた人もいるだろう。そういう人たちが誰もが敬遠する人手不足業種にあえて就職したいと思うようになるとは考えにくい。

 職場の改革なしに送り込むだけにならないか

 また、今回の氷河期世代支援対策では、半年間勤務していれば最大40万円の助成金が支給されるが、悪質な業者の中には助成金をもらって酷使し、半年後にポイ捨てにするブラック企業も現れないとも限らない。そうなるとますます働く意欲を失ってしまいかねない。

 こうした人手不足業界は、今年4月に施行された「特定技能」の外国人労働者の受け入れ業種でもある。受け入れ後の処遇など体制の不備がさまざま指摘されているが、これは氷河期世代も変わらない。だが、就職後のフォローなどの対策はとくに講じられていない。

 今回の就職氷河期世代支援プログラムは基本的に民間任せになっているが、最終的に絵に描いた餅に終わらないとも限らないのである。

溝上 憲文(みぞうえ・のりふみ) 人事ジャーナリスト
 1958年、鹿児島県生まれ。明治大学卒。月刊誌、週刊誌記者などを経て、独立。経営、人事、雇用、賃金、年金問題を中心テーマとして活躍。著書に『人事部はここを見ている!』など。

 (人事ジャーナリスト 溝上 憲文 写真=iStock.com)(PRESIDENT Online)

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