話の肖像画

成長しなければ即死、経済敗戦の時期経て ファストリ・柳井正氏(11) (1/3ページ)

 平成「経済敗戦の時期」

 〈30年もせず世界都市になった中国・上海を引き合いに、著書『現実を視よ』(PHP研究所)では、「資本主義の精神」を忘れた日本人を嘆いた〉

 その昔、にぎわいを見せていたその地方都市は、1960年代に起こったエネルギー革命の変化の波にさらされることになる。主力エネルギーが石炭から石油に移行したあおりを受けて、炭鉱は瞬く間に閉山に追い込まれた。炭鉱労働者で成り立っていた町からは、徐々に住民が去っていき、小学校も廃校。やがて町全体が消えてなくなった。閉山によって、その都市の人口は激減した。山口県宇部市。私の生まれ故郷である。

 〈日本はバブル経済がはじけた1990年代に「夢からさめ、覚悟を決めるべきだった」とも訴えた〉

 成長しなければ即死する-。社会の変化は、あるきっかけによって唐突に起こる。そして成長から見放されることは、すなわち「死」を意味する。私は身をもって、その事実を学んだ。これこそ、私の原体験である。

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