今日から使えるロジカルシンキング

「それ、先に言ってよ」 “隠れた前提”にあなたは気づけていますか? (1/3ページ)

苅野進
苅野進

第11回 「隠れた前提」に気をつける〈基本〉

 上司やクライアントをもっとスムーズに説得できたら…。仕事でこんな風に思ったこと、ありませんか? この連載では、子供にロジカルシンキングを教える学習塾ロジムの主宰・苅野進が、SankeiBiz読者のみなさんに、ビジネスパーソンにとって重要なスキルであるロジカルシンキングの基本スキルを伝えていきます。

「当たり前」は当たり前か

 あなたは営業支援システム会社Aの営業マンです。ライバルB社のシステムを使っている新規顧客とのアポイントメント取りに成功しました。度重なるヒアリングから顧客の問題点を把握し、それを改善できるような提案を社内で練り上げました。しかし、顧客へとプレゼンしたところあまり前向きではない反応が…。提案内容への疑問・不満はないかと尋ねたところ、「そもそも、システム全部を入れ替えるつもりも予算もなくてさ。現在のシステムのベースは変えずに、改良する方向で考えてたんだよね」と返ってきました。

 「そんな大事な話は先に言ってくれよ…」

 コミュニケーションにおいて、自分にとって「当たり前」だと思っていることを省略して話してしまいます。いちいちすべてを説明していたら、冗長になってしまうからです。しかし、相手にとっての「当たり前」は自分にとっても「当たり前」であるとは限りません。冒頭の事例のように、結果をすべてひっくり返してしまうような「思い違い」となって最後に浮かび上がってくることは避けたいものです。

前提 = ある物事が成り立つために、あらかじめ満たされていなければならない条件

 「前提(条件)」は、物事を共同で進めていくのに非常に重要な条件であるにも関わらず、しばしば表現されずに「隠れている」ものです。議論をしている中で、「なんだか相手と噛み合わないぞ?」というときには、お互いに表明していない「隠れた前提」がないかをしっかりと確認することが大事です。冒頭の例は「言い忘れていた」というレベルのものですが、ビジネス・交渉などでは意図的に隠されていることもあるのです。

 「我々は共通の前提の上で議論をしているのだろうか?」を常に確認していきましょう。隠れた前提を確認するために、最低限確認しておきたい3つのポイントがあります。

1.同じ「意味」で言葉を使っているか?

例えば「顧客満足」という目標を達成するために議論をしているとします。一方は「顧客満足」とは価格の低さであると考え、もう一方はアフターサービスの充実度だと考えている場合、議論は噛み合いません。当たり前のように使っている言葉の「定義」は議論の前提として確認しておく大事な項目です。その意味で、ビジネスの場面で「形容詞」や「副詞」など個人によって考える量や頻度が異なる言葉を使うことはなるべく避けるほうが良いでしょう。

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus