社会・その他

即位祝賀パレード延期の方向 政府、台風19号被害踏まえ

 政府は天皇陛下の即位に伴う22日の儀式のうち、即位を披露するパレード「祝賀御列の儀」を延期する方向で検討に入った。台風19号による被害が甚大なため、被災者の心情を考慮したとみられる。政府関係者が17日、明らかにした。即位の中心儀式となる22日の「即位礼正殿の儀」は予定通り行う方針だ。

 祝賀御列の儀は国事行為として22日午後に行われ、荒天の場合は26日に順延される予定だった。宮内庁幹部によると、延期した場合は26日ではなく、新たな日程が調整される見込み。政権幹部は「淡々と検討中だ」と述べた。政府関係者は「台風の被害が大きく、避難生活を続けている人もいる」と語った。

 菅義偉官房長官は15日の記者会見で、即位礼正殿の儀と祝賀御列の儀について「準備は淡々と進める」と述べ、予定通り実施する考えを表明していた。安倍晋三首相は17日、台風被災地の福島県を視察した。

 宮内庁の西村泰彦次長は15日の会見で、祝賀御列の儀は国事行為であり、実施の可否は政府が判断することだとしていた。

 パレードは皇居・宮殿をスタートして、赤坂御所までの全長約4.6キロを、約30分かけて進行する予定。

 天皇、皇后両陛下は15日、台風19号被害について、宮内庁を通じて被災者へのお見舞いの気持ちを発表されている。

                   

【用語解説】即位の礼

 皇位継承を国の内外に示す国事行為としての一連の儀式。5月1日に「三種の神器」の一部を引き継いだ「剣璽等承継の儀」、三権の長らを前に即位を宣言した「即位後朝見の儀」で始まった。中心儀式は10月22日の「即位礼正殿の儀」で、諸外国の国王戴冠式や即位式に当たり、各国首脳や賓客を招く。天皇、皇后両陛下がオープンカーでパレードする「祝賀御列の儀」と、即位を祝う宴会「饗宴の儀」も、平成時の代替わり同様、憲法の定める国事行為とされている。

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