社会・その他

大阪医科大の元講師、無届けで再生医療提供 容疑で大阪府警が捜査

 大阪医科大学(大阪府高槻市)の50代の元講師が在職中、再生医療安全性確保法で定められた国への届け出をせず、脂肪幹細胞を投与する再生医療を提供していたことが25日、同大学への取材で分かった。元講師は大学の調査に「研究の一環で行ってしまった」と説明しているという。大阪府警は同法違反容疑で大阪医大を捜索。厚生労働省も立ち入り調査し、詳しい経緯を調べている。

 傷ついた組織や臓器を修復する再生医療は、難病治療などの分野で大きな期待を集める一方、民間クリニックでは、さまざまな組織に変化する幹細胞の投与など、科学的根拠が確かめられていない治療を高額な自由診療で提供するケースが横行。幹細胞の投与は感染症のリスクがあるほか、投与した細胞で肺の血管が詰まるおそれもあり、平成22年には京都市のクリニックで男性患者が死亡する事故も発生している。

 こうした状況を受け、26年11月に同法が施行。再生医療を行う場合には、国が認めた専門家委員会の審査を受けた上で、提供計画を厚労省に提出することなどを定め、リスクに応じた安全対策を取るよう求めた。

 同大によると、元講師は50代の男性医師で、必要な手続きを踏まずに今春、同大の研究施設で知人の女性から脂肪幹細胞を採取して培養し、この女性に点滴投与。ほかにも複数人から脂肪幹細胞の提供を受け、培養していたという。

 投与の目的は老化を防ぐアンチエイジングだったとみられる。採取に応じた人はいずれも同大付属病院の患者ではなく、女性に健康被害は出ていないという。

 同大は今年4月に内部告発を受けて問題を把握。学内の委員会で調査を進め、8月に元講師を諭旨解雇処分とした。大学の報告を受け、厚労省が同月に立ち入り調査を行い、府警も9月に同法違反容疑で研究施設などを捜索した。

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