書評

『朝鮮戦争と日本・台湾「侵略」工作』江崎道朗・著

 ■旧ソ連から日本を守った人々

 朝鮮戦争で日本が旧日本海軍の掃海部隊を派遣し、戦死者を出したことはあまり知られていない。

 「傍観者」では決してなかった。中国、ソ連の共産勢力が日本と台湾を侵略しようとしていた「事実」を明らかにしたのが本書だ。

 ソ連のスターリンにとって朝鮮戦争は「来るべき大戦に備え日本攻撃の橋頭堡(きょうとうほ)を確保する」意味があった。日本の命運を米国任せにする愚かな判断をしなかった政治家、軍人たちが存在したからこそ日本は敗戦後の「危機」を乗り越えることができたという。

 朝鮮半島、台湾の有事にどう対応すべきか。考える視座になる。(PHP新書、1100円+税)

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