「日本の学校を卒業後、私はアメリカ・シカゴにあるバイオリンの製作学校に通っていました。そこでは生徒は誰もがバイオリンの職人になることを目標にしていました。でもそれだけで生計を立てていくのは難しい現実があったのです。大きな賞でも取らないと、新人が職人として生きていくのは厳しく、やむを得ず、修理を行うリペア職人になる人が大半でした。しかし、バイオリンが好きな人ばかりなので趣味で作っている。工場の大量生産と違い、手作りですからどうしても値段が高くなってしまいます。そうなると売れない。どんどん在庫が溜まってしまう。とてももったいないことですし、悲しかったのです」(カポラリさん)
こういった現実を何とかできないかと、学生時代からの友人であった木附さんに相談。このサービスを発案に至ったのである。atsumariでは、楽器職人と奏者をつなげてきたいと考え、職人さんを紹介するページも設けている。
「楽器を貸し出す際には配送ではなく、手渡しをおすすめしています。単なる貸し借りではなく、音楽を通して人と人とがつながってほしいのです。情報交換をしながら新しいコミュ二ティーができればうれしいです。どんな方でも楽器が演奏できるようになれば楽しいですし、自然と音楽への興味もわいてきます」(木附さん)
このatsumari、現在はβ版(試用版)だが、年内にはバージョンアップを行い、楽器の種類や内容を充実していく予定だ。
「現在はモノのシェアリングですが、今後はピアノなどの大型楽器は時間貸しできるようにしたいと考えています。また、楽器演奏を教える人と習いたい人を結ぶようなサービスも実現させたいです」と構想を話す木附さん。
生活の中に音楽があると、ちょっとした幸福を感じることもできるだろう。仕事から離れて、自分で楽器を演奏すれば、ストレス解消にもなるはず。音楽に興味のある方、楽器を始めてみたい方、眠っている楽器を貸し出したい方、atsumariを通して、音楽とともに素敵な秋を過ごしてみてはいかがだろう。(吉田由紀子/5時から作家塾(R))