世界自然遺産候補の鹿児島県・徳之島で、普段は人からキャットフードをもらっているネコの一部が、人の生活圏と近い森に暮らすアマミノクロウサギなど希少動物6種を食べていることが分かったと、森林総合研究所が発表した。ネコのふんや毛を分析し、食べ物を突き止めた。
野生化したネコによる捕食が問題とされてきたが、人間と接点があるネコの関与も示した形。研究した亘悠哉主任研究員は「捕獲や室内での飼育など、対策を進めるべきだ」と話した。自然遺産の審査では、希少動物の保全対策も考慮される。
平成26~30年に島内の森で208匹のネコを捕獲。うち189匹の毛の元素を分析すると、食べ物の7割がキャットフードと判明した。174匹のふんを調べると、2割からケナガネズミやトクノシマトゲネズミなど絶滅危惧種の骨や歯、毛などが見つかった。研究結果は英科学誌サイエンティフィック・リポーツに掲載された。