働き方

教員採用試験の倍率、過去10年で最低の3・3倍 栃木県、問われる働き方改革

 栃木県教育委員会は、令和2年度の公立学校教員の採用選考試験結果を発表した。小中学校と県立学校(高校、特別支援学校)の合格者数は、前年度より計76人多い641人。一方、選考倍率は0・7ポイント低い3・3倍となり、過去10年間で初めて4倍を切り最低となった。志が高く優秀な人材を確保し教育の質を保つには、残業や部活動指導に負担感がある教育現場の働き方改革が欠かせない。

 小中学校教員の合格者数は509人。退職者の増加や、来年度に全学年で「35人学級」を導入するという事情もあり、前年度より61人多くなった。一方、受験者は109人減の1474人で、倍率は0・6ポイント低い2・9倍にとどまった。

 また県立学校の合格者数も前年度より15人多い132人、受験者は71人少ない618人で、倍率は1・2ポイント低い4・7倍となった。

 人材確保策として県教委はこれまで、受験年齢の引き上げや優れた経歴を持つ受験者への加算制度、大学訪問の強化や、東北地方での試験実施などに取り組んできた。しかし「民間企業の採用も『売り手市場』となっており、特効薬的な効果は出ていない」(荒川政利教育長)のが実情だ。

 教員採用試験の倍率は、全国的に低下傾向が続く。文部科学省によると、平成30年度の公立小教員は平均3・2倍で、7年連続のマイナスだった。

 教員になることが敬遠されている背景には、残業や部活動指導などの多忙さがある。県教委の今年度の調査によると、国が「過労死ライン」とする月80時間以上の残業をしている教員の割合は11・8%。昨年度より5・7ポイント改善しており、令和3年度までにゼロとするのが県教委の目標だ。

 荒川教育長は「管理職である校長、教頭の意識改革も徹底し、教職員が子供と向き合える時間を増やすことで、優秀な人材確保につなげたい」と話す。(山沢義徳)

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