元受付嬢CEOの視線

受付嬢だった私がCEOでいられる理由 投資家や経営陣の言葉から分析してみた (1/2ページ)

橋本真里子
橋本真里子

 40→15→6 …突然ですが、この数字なんだかわかりますか?

 ご存じの方も多いと思いますが、会社が生存している確率です。起業してから1年後は40%、5年後は15%、10年後は6%しか生き残っていないということです。弊社は間もなく5期目ですから、どうにか「15%」の中に入れているということでしょう。

 「元受付嬢CEOの視線」というタイトルの連載をこのように続けていられるということは、私はまだ経営者であるということです。CEOでなくなったらこのタイトルは成立しませんね(笑) 社員は30名を超え、年明けには移転も控えております。正直なところ、起業当初は想像がつきませんでした。自信がなかったというわけではなく、ただただ目の前のことに必死だったのが一番の理由かもしれません。

 そして、実はこの連載も今回で第50回を迎えました。編集担当者からは「長寿連載」と言っていただき、これもまた、執筆のお声がけを頂いた時には想像もつかなったことです。読者の皆様にはこの場を借りてお礼をお伝えしたいです。いつも読んでいただき、ありがとうございます。

 さて、みなさんは不思議に思われるでしょうか? もともと受付嬢の経験しかなかった私が、まったく畑違いのIT企業の経営者として今もお仕事できているのか。私も不思議です(笑) 連載も節目ということで、今回は、私がどうして経営者でいられるかについて向き合ってみました。経営者をしていると、様々なタイミングで様々な方から評価を受けます。そこで、今まで評価された方々のお言葉をお借りしながら、お伝えしたいと思います。

「自分のことをよくわかっていますね」

 資金調達を行なっていると、投資家からフィードバックをもらうことがあります。その際に私が言われたことは、「自分の強みと弱みを良く理解し、武器にしている。そして、強い巻き込み力を持っている。これができる経営者はいいチームを構成することができ、それが会社やサービスの成長につながる」という言葉です。

 起業当初は自覚がなかったのですが、今はこの評価がすんなり入ってきます。周りを見れば、わが社の経営陣だけでなく従業員や株主、クライアントに至るまで、本当に心強いメンバーに囲まれているからです。

「運を持っていますよね」

 会社を経営していると、様々な修羅場に直面します。その修羅場をくぐり抜ける際に一番必要なのは、実は「運」だと思っています。危機は、自分たちの力だけでなく、いろんな方のお力をお借りしないと乗り越えられません。しかし、他者からするとうちの会社がそれを乗り越えようが乗り越えまいが、関係ありませんよね。そんな時に大きな味方になってくれたのは「運」です。

 私は普段から「人たらし」と言われるくらい、人を巻き込む力を持っていると言われることがあります。それが功を奏し、危機的状況を他の人にも自分ごとのように感じてもらい、手を差し伸べていただくシーンが多々ありました。しかも、絶妙なタイミングで助けを求め、助ける側も「今だからできる!」と助けてくださるケースが多かったのです。タイミングは「人たらし」では引き寄せられません。

 私が「運を持っている」とは経営陣の言葉ですが、こればっかりは自分でも感じます。狙って身につけられるものではない「運」を持っているのは経営者として大きな強みのようです。

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