ローカリゼーションマップ

「ちょっと別の土地で仕事しよう」 イタリア人は肩肘張らず国境超える (2/3ページ)

安西洋之
安西洋之

 こうした増加はリーマン・ショック後、2010年以降だ。それまでの海外移住は年間およそ4万人だったので、2017年は3倍の数字である。因みに、帰国者も年間4万人いるので、その差8万人が「長期移住者」になる計算だ。

 学歴からみると、高校か大学を卒業している人が多く、2013年からの4年間で合計およそ15万人が国外流出をしている。

 これが「頭脳流出」の数とまでは言えないだろうが、それなりの勉強をした人がより良い職業経験を求め、欧州内の別の国に移住するというのが「移民」の実態であろう。19世紀後半から20世紀前半の移民イメージ、経済水準の低い南イタリアから「脱出」して、ドイツや北南米で骨を埋めるというのとはずいぶんと違う。

 さほど深刻な表情にならずに「ちょっと別の土地で仕事をしよう」と思って行動に移す人も多いだろうとは容易に想像がつく。今どき、高校大学まで勉強していれば、母国語以外に英語と仏語か独語が解せることが一般的だ。移住先トップ5は、これらの言語でカバーできる。およそ6万人だ。即ち移民の半数はあまり言葉に困らない国に出かけている。 

 EU市民には欧州内の移住に対する滞在許可証が不要であり、在外公館に在留届けを出さない人も多い。したがって正確な数字は不明であるが、動向としてはおよそのところ、こんな感じだろう。

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus