社会・その他

贈賄3容疑者 政治家と海外企業つなぐ「ブローカー」も

 カジノを含む統合型リゾート施設(IR)事業をめぐり、衆院議員の秋元司容疑者(48)=東京地検特捜部が収賄容疑で逮捕=への贈賄容疑で逮捕された中国企業「500ドットコム」の3人のうち、「顧問」の肩書を持つ日本人2人は、「ブローカー」として同社と政治家をつなぐ存在だったとみられる。

 那覇市の紺野昌彦容疑者(48)は10代で雑貨の輸入販売業を始めた起業家で、現在はタイや中国、沖縄などを拠点とする自称経営コンサルタント。地元ゼネコン元会長の下で人脈を築いたという。元会長は生前、沖縄でのIR誘致推進運動の中心的存在だった。

 紺野容疑者の人脈の一人が沖縄県内の自治体の元議員で、首長の秘書を一時務めていた仲里勝憲容疑者(47)だ。関係者によると、仲里容疑者は秋元容疑者の支援者で、元政策秘書と連絡を取り合っていた。紺野容疑者が「幼なじみ」と周囲に紹介することも。「いぶし銀で信頼が置ける」と評されていたといい、秋元容疑者と紺野容疑者とのパイプ役になったとみられる。

 仲里容疑者を知る関係者によると、過去に証券会社で勤務した経験などから財政問題に詳しく、「物言いが巧み。資料集めがうまかった」という。

 平成29年8月に500社が那覇市で開催したシンポジウムは紺野容疑者が実質的に運営し、仲里容疑者もサポートした。30年1月には北海道留寿都村を訪れるなど、2人は同村でのIR誘致計画の中心的役割を果たしていたとみられる。

 一方、500社元副社長の肩書で活動していた鄭希容疑者(37)は20年に東大大学院を修了、大手商社など複数の企業を経て、現在はライブ配信アプリ運営会社(東京)の最高執行責任者(COO)。就任の際は「世界中の人に夢を与える事業をしたい」とのコメントを出している。

 29年10月から500社日本法人の役員を務め、今年9月に辞任した。

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