CAのここだけの話

海外での多忙なCA生活が一変 突如始まった9年ぶりの日本生活 (2/2ページ)

金子あすな
金子あすな

▼マレーシアにはない「ゴミの日」

 自粛期間中は多くの方が断捨離をしたと思いますが、我が家も例に漏れず。ただ、マレーシアと異なるのが「ゴミの日」があるということ。マレーシアではおおまかな分別はあるものの日時構わずゴミ出しができたのです。日本に帰って来てまず、実家のある市町村のごみの分別方法から学び、ゴミ出しの曜日を覚えました(笑)

▼“CA事情”でほぼ外食

 この9年間のマレーシア生活では昼夜逆転。そのため、月間7日間しかないような繁忙期の休日は、「よく寝て、楽しく好きなものを、好きなだけ食べる」というのが私の一番の健康管理法でした。健康管理は私たちCAの重要な仕事のひとつなので、心身ともに健康でいることには常に気をかけていましたが、自炊からは遠ざかりがちでした。

 というのも勤務パターンも不規則なためCAの休日は短いのです。限られた時間の中で買い物をし、調理をし、また数日間家を離れるために残り物を廃棄することにとても罪悪感を覚えました。そこで私は、「美味い! 早い! 安い!」の3拍子揃った大好きなマレーシアごはんの外食で、朝ごはん以外をまかなっていました。

 こんな不規則な生活が日常の私たちCAなので、家庭持ちの同僚のママさんCA、パパさんCAには入社時から本当に頭が上がりません。

▼Farm to Kitchen 日本での自炊生活が楽しくなったワケ

 私はフライトの際に、ステイ先で地元のファーマーズマーケットや市場などに行くことが大好きです。現地の旬のものが手に入り、しかも季節が真逆の北半球、南半球の行き来もあるので1週間の間にいろんな季節の旬のものが食べられるのはCAの特権だなぁと感じていました。

 日本での自粛生活で自炊が楽しくなった理由のひとつに、89歳になる祖母が愛情をたっぷり込めて作った無農薬野菜の存在がありました。たけのこ、じゃがいも、ピーマン、なす、いんげん、茗荷、南瓜、ゴーヤ等々、沢山の野菜の収穫を手伝いました。

 安全で美味しい野菜づくりのために「高級米の米糠を使っているの」と嬉しそうに話す祖母。日々努力している話を聞いたり、実際に農作業をするその姿を見ていることもあり、畑から我が家の台所に“直送”されてきた野菜たちを家族のために調理できる喜びは格別。祖母と畑で過ごす時間、他愛もない会話は「いただきます」「ごちそうさま」の本来の意味をより一層強めてくれるものとなりました。

また会いましょう!

 最後になりますが、新型コロナウイルスの感染拡大が世界中でまだ終息の兆しを見せない中、とても不安ではありますが一人一人がうつらない、うつさないをきちんと意識して、また一日でも早く皆様と共に自由に国をまたぐ移動が可能となりますことを願っております。Jumpa Lagi!(マレー語で また会いましょう!)

神奈川県横浜市出身。法政大学国際文化学部業後、新卒でJAL SKY東京(現JALスカイ)に入社、羽田空港国際線で地上職員として勤務したのち、マレーシアの航空会社へ。乗務歴9年目。乗務に加え日本人乗務員の採用や育成、また日本語アナウンスの作成、指導にも関わっています。プライベートでは、大学時代にしていたラクロスをクアラルンプールで再開し、国籍、性別、人種、宗教、言語、年齢などを越え、ボーダレスに仲間たちと楽しく汗をかいています。

【CAのここだけの話】はAirSol(エアソル)に登録している外資系客室乗務員(CA)が持ち回りで担当します。現役CAだからこそ知る、本当は教えたくない「ここだけ」の話を毎回お届けしますので、お楽しみに。隔週月曜日掲載。アーカイブはこちら

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