「当時ふと会計士業界を見渡した時に若手のロールモデルになるキャリアの方がいないと思いまして。もし私が外に出て活躍できたとしたら、業界の若手に勇気を提供できるのではないかと雷に打たれた気持ちになったのです。ですから、どこかの会社に行くことが決まっていたのではなく、先に退職することを決めました」
次のキャリアはどうなったのですか?
「父が小規模な会社を経営し四苦八苦していた姿を見ていたこともあって、やがては事業再生の仕事をしたいと思っていたのですが、よく考えると自分が会社の経営をしたことがないことに気づきました(笑)。そこで、まず会社を成長させる経験をしないといけないなと思い、スマホゲーム関連のスタートアップでCFO(チーフファイナンシャルオフィサー・最高財務責任者)として働くことにしました」
なるほど。このあたりから攻めの感じになっていかれるわけですね。
「それが、今振り返るとそんなことはなかったのです。当時財務・経理・総務・労務などバックオフィス全般を管掌していただけであって、会社の成長に寄与出来た実感は資金調達くらいでした。自分の中で“バックオフィスで入ったのだからバックオフィスだけ”という感じで業務に線引きをしてしまっていましたね。今振り返るとイケていないなと。いまはその反省を活かして線引きをしないように努力しています」
なるほど、その会社はどのようになったのですか?
「転職直後は10名くらいの規模でしたが40名ほどに成長し、上場企業に売却しました。売却先は体制も整っていたので私は退職することを決意し、バックオフィスを0から立ち上げた経験をもとに、フリーランスとしてスタートアップ支援を開始しました」
フリーランス経験もあるのですね。そして次はいよいよマネーフォワードに入られるわけですね。
「はい。2014年に入社しました。フリーランス時代にマネーフォワードのユーザーだったこともあり、導入事例としてHPに掲載いただいたりしていました。ユーザーとしての視点で“クラウド会計はもっとこうするとより良くなる”という自分なりのイメージもありましたし、なにより今までの自分のキャリアの集大成だと腹落ちしてきたので参画することに決めました」
マネーフォワードでの最初のお仕事はなんだったのですか?
「まずセールスの部署に配属されました」
いままでのキャリアとは畑違いですね!
「そうですね。ただ、会社からは『しばらく社内全体を見渡してからどの仕事に挑戦するか決めて良いよ』と言われていたのでセールスありきで配属されたわけではなかったのですが」
ペルソナユーザーとして招聘されたわけですものね。
「当時のマネーフォワード は人数も少なく、そういう面もあったと思います。ただ、自分としては過去スタートアップを成長させられなかったという反省から、セールス部署に配属されたらちゃんと取り組んでみようと思っていました」
なるほど。セールスいかがでしたか?
「実は、私自身は全く売ることができなかったのです(笑)。悔しさもありつつ、“商品に課題があるな”とポジティブに頭で切り替えていました(笑)」
ワイルドですね(笑)。その後どのように動いたのですか?
「やることはひとつです。プログラミングも勉強しながら、自分も企画開発側にコミットしました」
なるほど、“仕事に線引きをしない”ということですね。
「はい。過去の反省からですね。開発以外にもIPOを目指して体制構築をしているときでしたので“社内経理の内製化”のプロジェクトの立ち上げを行なったりしました」
フットワーク軽いですね!
「冒頭申し上げた、“公認会計士のロールモデルになる”ことが常に念頭にありました。冷静に会社の様々な経営課題や事業課題を俯瞰し、いまの自分の役割に線引きせずにファーストペンギンとして取り組むことだと、自分の中で感じていたのです」