書評

『古代アメリカの比較文明論』

 □『古代アメリカの比較文明論 メソアメリカとアンデスの過去から現代まで』

 ■考古学と最新の科学で実像に

 古代アメリカの2大文明であるメソアメリカ文明とアンデス文明は、もともと何もないところに独自に現れ、発展した他に類をみない文明だった。それゆえ、「神秘の文明」というイメージが付きまとい、実像が紹介されることが少なかった。

 本書では、考古学と航空レーザー測量などの最新の自然科学分析を融合、両文明の社会変化を精緻に比較して「謎の文明」の実像に迫る。また、古代文、編明の技術や文化などの遺産が現代になお息づいていることも明らかにし、従来の文明史観に新境地を切り開く内容になっている。(青山和夫、米延仁志、坂井正人、鈴木紀・編/京都大学学術出版会、4200円+税)

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