社会・その他

春節Uターンで拡散防止を 家庭・職場に注意

中国新聞

 新型コロナウイルスへの感染による肺炎の“発祥地”となった中国・湖北省武漢市は、医療機関への収容が必要な患者を「一人残さず」移送する総力戦段階にある。だが春節(旧正月)連休終了に伴うUターンが続く中、国内各地で再び「人が集まることによる流行」が起きないかが社会の関心事となっている。

 この流行は、ウイルス潜伏期間内に家庭や職場など比較的狭い範囲で、2つ以上の発症例が確認され、症例間に濃厚接触による人から人への感染の可能性などがあることを指す。

 中国疾病予防コントロールセンター流行病学首席専門家の呉尊友氏によると、同流行の83%は家庭内で発生し、このほか医療機関や学校、商業施設、工場などでもよくみられる。同流行は一度発生すれば波及範囲が広く、1次感染者が22%に対し2次感染者が64%を占め、3次、4次もあり得る。呉氏は「湖北や武漢で居住歴、旅行歴などがある人で1次感染が発生し、家庭や会食などで2次的な感染が発生する」と話す。

 北京市では10日までに73件の同流行が発生し、うち66件は家庭内だった。山東省では60件中49件が家庭内、6件が同僚間で、1件当たりの平均感染拡大数は2.15例。操業再開が進む中、従業員が集まっての業務や食事などが引き起こしかねない感染の抑制が、新たな課題となっている。(中国新聞社)

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