社会・その他

特区の新病院が開設前倒し 千葉・成田、新型コロナ患者受け入れ

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、今年4月1日に開設される予定だった国際医療福祉大成田病院(千葉県成田市)が、開設を今月16日に前倒しすると決めたことが8日、関係者への取材で分かった。厚生労働省からの要請を受けたもので、感染症対策で病院開設が早まるのは異例。当面、専用フロアを設け、新型コロナウイルスの患者を受け入れる見込み。

 新型コロナウイルスの患者は感染防御策が徹底された病床のある指定医療機関を中心に入院しているが、患者の増加に伴い、病床不足が深刻化。政府はさらなる感染拡大を見据え、一般の病院にも受け入れ態勢の整備を促しており、厚労省から同大成田病院への開設前倒しの要請もこうした流れの一環とみられる。

 同大成田病院は国家戦略特区で新設が認められ、平成29年4月に開学した同大医学部の付属病院の位置づけ。成田空港近くの約10万平方メートルの敷地に病院棟・健診棟などがあり、段階的に642床まで広げる。海外からの患者を想定し、医療通訳が多言語対応する。

 関係者によると、前倒しするのは、41の診療科のうち、感染症科と予約制で外来診療を行う内科のみ。新型コロナウイルスの患者を受け入れる場合には、46床の個室があるフロアを活用する。このうち12床は空気が外に漏れない構造の「陰圧室」になっている。

 医学部には、新型コロナウイルスの感染の有無を調べる「PCR検査」用の機器があり、準備が整えば検査も請け負う見込み。

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