ブランディング意識の高まりも原動力
それにしても改めて感心するのが、タグやパッケージ、お店のPOPなどにブランディング的な気遣いが行き届いていることです。今やブランディングという商品の魅力をより端的、効率的に伝える手法が広く知られ意識されるようになったことの効用を感じる瞬間です。鈴木代表も「良い意味で”売らんかな”がない作り手に、私からより製品の魅力が伝わるようなブランディングをアドバイスすることも少なくありません。でも何でもキレイだったりカッコよかったりするブランディングをすれば良いというわけではないですね。モノによっては新聞紙にあえてくるむだけで提供したほうが伝わる場合もあるんです」とのこと。実践的なブランドプロデュースの力を感じました。
世界中で評判が高い日本の食文化だけでなく、日本各地にはそれぞれの土地柄や風土を背景に培われた素晴らしいプロダクトがまだまだたくさんあるに違いありません。歴史的には伊万里焼や有田焼が輸出品として珍重されたり、最近では南部鉄器が再評価されるなど外国人によって再発見されることがしばしばでしたが、日本人自身の手でスポットを当てることは意義ある試みであるように思います。
【ブランドウォッチング】は秋月涼佑さんが話題の商品の市場背景や開発意図について専門家の視点で解説する連載コラムです。更新は原則隔週火曜日。アーカイブはこちら