ミラノの創作系男子たち

リーガル分野の冒険家 交渉に「クリエイティビティは必要だ」 (3/3ページ)

安西洋之
安西洋之

 私生活も活動的だ。バイク、テニス、ジョギングと身体を動かすのは好きだ。最近はスカイダイビングに凝っている。ピエモンテ州、エミリア・ロマーニャ州、マドリッドやプラハなどいろいろな場所で「空を泳いで」きた。ただ、いつもは陸地に着地するが、「これから海面におりてみたい」と語る。

 はじめて飛行機にのったとき、「なんでこんなバカなこと始めたのだ?」と考えた。高度が4000~5000メートルに達し、ヘルメットやマスクを装着して飛行機の扉が開いた瞬間、「ああ、なんてことだ!」と怖気づいた。

 しかし、空中に身を投げ出してしまったら、恐怖は何の意味もないと悟る。姿勢を水平にする。空気と自分しかない。風の音はするが静かに思える。

 「高いからといって無駄に怖がる必要がない、しかるべき科学的な知識を身に着け訓練をすれば、リスクを避けるのは可能だと分かった」

 1日、3~4回は飛ぶ。空中に身を投げ、飛行機が視界から遠のくのを認めるとき、とてもリラックスする。メディテーションをしているようだ。セットしてある高度まで下がってくると、デバイスから音が鳴り、パラシュートを開く。

 実は、彼は高所恐怖症だった。これと闘うことにしたのである。不安と恐怖の2つを分け、恐怖を合理的に減らす術を知ったのである。

 スカイダイビングをすることによって、リスクへの見極め方に確信がもてるようになったようだ。「怖さがゼロになったわけじゃないけどね」と笑う。

 人懐っこい冒険心ある弁護士ほど強力な存在はない。

安西洋之(あんざい・ひろゆき)
安西洋之(あんざい・ひろゆき) モバイルクルーズ株式会社代表取締役
De-Tales ltdデイレクター
ミラノと東京を拠点にビジネスプランナーとして活動。異文化理解とデザインを連携させたローカリゼーションマップ主宰。特に、2017年より「意味のイノベーション」のエヴァンゲリスト的活動を行い、ローカリゼーションと「意味のイノベーション」の結合を図っている。書籍に『「メイド・イン・イタリー」はなぜ強いのか?:世界を魅了する<意味>の戦略的デザイン』『イタリアで福島は』『世界の中小・ベンチャー企業は何を考えているのか?』『ヨーロッパの目 日本の目 文化のリアリティを読み解く』。共著に『デザインの次に来るもの』『「マルちゃん」はなぜメキシコの国民食になったのか?世界で売れる商品の異文化対応力』。監修にロベルト・ベルガンティ『突破するデザイン』。
Twitter:@anzaih
note:https://note.mu/anzaih
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ローカリゼーションマップとは?
異文化市場を短期間で理解すると共に、コンテクストの構築にも貢献するアプローチ。

ミラノの創作系男子たち】はイタリア在住歴の長い安西洋之さんが、ミラノを拠点に活躍する世界各国のクリエイターの働き方や人生観を紹介する連載コラムです。更新は原則第2水曜日。アーカイブはこちらから。安西さんはSankeiBizで別のコラム【ローカリゼーションマップ】も連載中です。

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