CAのここだけの話

飛行機通勤も当たり前 働くCAが感じるアメリカ航空会社の魅力 (1/2ページ)

井清桜
井清桜

 SankeiBiz読者のみなさんだけに客室乗務員(CA)がこっそり教える「ここだけ」の話。第77回はアメリカ系航空会社に勤め乗務4年目の井清桜がお送りいたします。

 CA業界は意外に転職組が多いのが現実です。かく言う私もそのひとり。私は金融機関の総合職からアメリカ系航空会社のCAへ転職しました。その経験をもとに、アメリカの航空会社の魅力をお伝えします。

 なかなか「手の届かなかった」CAという職業

 新卒で都内金融機関の総合職に採用された私は、早朝から深夜まで外回り営業と事務作業に追われる日々を送っていました。そんな中、海外でCAとして働く双子の妹に影響を受け、CAへの転職を決意します。外資系航空会社の採用情報が出るたび、履歴書を送っていました。しかしどの会社も書類選考止まり。

 やっとの思いで書類審査を通過した某中華系航空会社でのこと。「身長制限が160cm、またはアームリーチで規定の高さまで届くこと」が条件でした。アームリーチとは、靴を脱いだ状態で腕をまっすぐ伸ばす動作やそのときに手が届く高さを指します。私は身長157cm。家でアームリーチの練習(腕を伸ばす練習)をするも、家での練習だけでは規定の高さには届かず。

 面接日まで週3で整体に通いました。整体師さんに事情を説明し、できるだけ腕の可動域が広がる施術をしてもらいました。加えて、毎朝毎晩、公園の鉄棒にぶら下がりました。

 しかしその努力も虚しく…面接当日もアームリーチで規定の高さには届かず、即面接終了。悔しさのあまり、帰路の電車の中で涙を零しましたが、今となっては良い思い出です。そしてその時に誓ったのです、「絶対、CAになる!」と。

 採用後もつきまとう失業の恐怖

 念願叶って受かったのが、アメリカの大手航空会社。と言っても、数週間のトレーニング(訓練)に耐え、試験に合格しないと採用は取り消しとなります。

 毎日、会社のトレーニング施設で缶詰め状態で勉強をし、2日おきに実施されるテストおよび実技試験に合格してやっと卒業できるという過酷なものです。内容は、会社が保有する機体ごとの安全面についてで、実際の深夜便を想定して真夜中に訓練をすることも。

 合格基準は各テスト80点以上(100点中)で、その点数を2度下回ると内定は即刻取り消しとなります。「80点」と聞くと簡単そうに思えるかもしれませんが、「このテストに合格しないと失業」というプレッシャーからミスをしてしまう人もいます。知識をつける事ももちろん重要ですが、この緊迫した状況下で最高のパフォーマンスを発揮できるかどうかが試されているのです。一緒にトレーニングを頑張ってきた同期生がテストに合格できず、途中で家に帰される姿を見るのはとても辛かったです。

 ちなみに、飲み物の注ぎ方やお客様対応についての講義はほとんどありません。仕事のやり方は現場で見て学ぶのです。

7週間の厳しいトレーニングを終えてやっと「卒業式」を迎えることができました。そう、アメリカの航空会社では入社前に卒業式があります。式典では今までの過酷な日々を思い出して涙してしまう人もいました。

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