働き方

Jリーグの播戸竜二特任理事が訴え 長引くコロナ禍で選手の心のケアが重要

 新型コロナウイルス感染拡大による外出自粛や練習施設の使用停止が続く中、焦りや不安を抱えるスポーツ選手が増えている。Jリーグの理事会などで選手の心のケアの必要性を訴えた特任理事の播戸竜二氏(40)がオンラインで産経新聞の単独インタビューに応じ、「アスリートは一般的に体も心も強いと思われがちだが、全員がそうではない。弱い部分があることも分かってほしい」と強調した。

 播戸氏は現役時代の21年間で、G大阪やC大阪、神戸などJ1からJ3までの7クラブでプレー。日本代表としても活躍し、昨年に引退を表明した。今年3月、Jリーグの特任理事に就任し、元選手の立場で発言してきた。

 21日に開かれた理事会では、うつ症状を訴える選手が世界で急増しているとの国際プロサッカー選手会の調査報告を踏まえ、Jリーグの選手からもヒアリングする必要性を痛感した。「リーグに所属する1600人全員と話はできないが、日本プロサッカー選手会の高橋秀人会長(鳥栖)から状況を聞いた。『何を目標にしたらいいのか分からない』『外で練習できず、不安で夜も眠れない』といった選手がいた」と播戸氏。その上で「試合や練習が再開したとして、選手自身が移動することによって、どこかで感染する可能性がある。妻や子供にうつす不安もあるだろうし、家族からうつされることもあり得る。リーグがどうなるのか、所属チームはどうか、自身のサッカー人生は…。いろんなことが複合的に積み重なって不安が生まれている」と指摘する。

 さらに、試合や練習で体力が消耗した際の感染リスクについても、元選手として「免疫力が落ちるのではないかという認識を持っている。運動の量や質、年齢によっても異なるが、全力を尽くす分、心も体も疲弊する」と解説。この点については、4月23日に行われたプロ野球とJリーグの「新型コロナウイルス対策連絡会議」後の記者会見で、村井満チェアマンも「時と状況により、選手がリスクにさらされるというスポーツの特殊性も投げかけられた」と言及した。

 自身も現役時代にけがなどで長期間プレーできなかった経験があるが、「たくさんのプレッシャーの中でサッカーをしてきたが、今回の厳しさは異なる」と話した播戸氏。「欧州に比べ、日本ではこれまで選手の心のケアについて、あまり議論されてこなかった気がする。プロだけじゃなく、アマチュアや学生も含め、何が選手にとって一番いいのか、話し合っていければ。コロナ終息後のスポーツ界は大きく変わると思う。選手もクラブも地域も、全体で連携を取って盛り上げていきたい」と抱負を話した。(北川信行)

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