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昭和好きの中国人富裕層がリピート 多慶屋やレトロショップの魅力 (1/2ページ)

 一味違う中国人の爆買いが存在

 数年前、中国人の爆買いがニュースでも話題となっていたが、中国側の税関強化により爆買いはトーンダウン。それでも、新型コロナ禍前は、都心のドラッグストアや家電量販店、「ドン・キホーテ」などには、両手に荷物一杯抱えた中国人訪日客の姿を日常的に見ることができた。

 一方、これとは少し違う中国人の爆買いも存在する。しかも、あまり日本人が足を運ばない店のため、もっとうまくプロモーションすればウィン-ウィンになりそうな感じもする。

 中国天津で医療施設を経営する李さん(51)は、東京へ来る度に「多慶屋」(御徒町)で買い物をしている。多慶屋をご存知だろうか。東京に住んでいる人間でもあまり馴染みがないかもしれない。

 紫の建物がトレードマークのディスカウントストアだ。御徒町から上野にかけて集中展開している。

 著者は1階でビールを買うくらいで、スーパーマーケットくらいに思っていたが、AB館が連結する本館上層階には「オメガ」や「ロレックス」などの高級腕時計、ダイヤモンドなど高額ジュエリー、紳士服、「ブルガリ」や「フェラガモ」などのキーケースや財布など、高級ブランド品も売られている。

 これらのフロアを訪れると、中国人を中心に外国人が多く、日本人は年配者をちらほら見かけるくらいとなる。

 「その場で体験できるのがいいですね」

 昨年末、李さんが「食事前に多慶屋へ行きたい」と言うので同行させてもらった。まず革靴を探し始めた。「これがいい」と10分ほどで濃いブラウンの紳士靴を選び出した。決め手は、ワイズ(足囲)で4Eのサイズを愛用している。かかとからつま先までが26cmなどのサイズは、中国でも豊富に売られているが、ワイズ4Eとなるとほとんど売られていないので、歩くと疲れるそうだ。つまり、李さんはワイズ4Eの中からデザイン、サイズで靴を選んでいた。

 「多慶屋は4Eが豊富にあって、その場で体験できるのがいいですね。ぴったりです」(李さん)

 中国でもオンラインストアなら4Eの紳士靴は買うことはできるが、購入して到着、履いて合わなければ返品交換、を繰り返すのが面倒だという。ちなみに中国のオンラインストアは「アマゾン」と同じく、客都合でも自由に返品できるストアが一般的だったりする。

 この日、李さんは、紳士靴とジャケットを購入して、しめて約7万円のお買い上げだった。ジャケットは好みの薄いグレーがなかったので取り寄せてもらうことになり、1週間後、著者が代わりに取りに行って預かり、後日、李さんへ渡した。

 高級デパート並のサービス

 多慶屋は、お世辞にも高級感は微塵もない。それは、紳士服や宝飾品フロアへ上がっても同じだ。同店が好きな別の中国人に聞くとスタッフの商品知識が豊富で、ベテランスタッフもいるので安心できるという。同店のサービスは高級デパート並と中国人の間で評価が高いのだ。

 今や上海や深センなどは、東京より高級感ある商用ビルや店舗が無数に存在するので、もはや見た目の高級感では中国人の心に刺さらないようだ。

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