働き方ラボ

オンライン講義の現実と、そこから在宅ビジネスパーソンが学ぶべきこと (2/2ページ)

常見陽平
常見陽平

 もちろん、オンライン講義にはメリットも多い。学生は復習したいときには、映像のアーカイブを使って学ぶことができる。学生の反応が見えないと書いたが、実際はチャットツールで質問することができるし、意見を伝えることもできる。なんせ、通学時間がないというのもメリットだ。そう、会社員の「痛勤」が話題となるが、学生も自宅生の長距離通学が問題となっている。現在はオンライン講義をせざるを得ない状態になっている。そのメリットを見出しつつ、デメリットとして指摘されている部分を解決していきたい。

 働く相手を気遣う

 さて、このオンライン講義の現場で起こっていることからビジネスパーソンが学ぶべきことは何か。つきなみだが、相手のことを考えるということが大事だ。自宅に閉じ込められ、ひたすらPCとスマホに向かいつつ、生活の不安も抱えつつ働く相手を気遣うことが大切である。

 特に、部下や後輩がいる人、取引先とのオンラインでのやり取りがある人は、自分の言動が、相手にとって辛いものになっていないかを意識しよう。ただでさえ疲弊しているときに、電波の状態が悪い中、きついトーンで依頼がきたら、心が折れてしまう。自分がそうしていなくても、部下や、後輩に対して上司や取引先がそんな風に接しているのをみたら、フォローしよう。

 オンラインでのコミュニケーションは、マイクをオンにしなければ発言できない。オンライン会議は普段の会議以上に、お互いの存在を確認する場になりがちである。ついつい発言しない人も増えてしまう。一方、理解しているかどうか、納得しているかどうか怪しいこともある。会議中でも、その事後でも構わないので、意識的に意見をふるべきだろう。

 これもオンライン講義からの学びだが、コンテンツを詰め込みすぎると、学生は疲れ果ててしまい、理解が追いつかなくなるのだ。お互いの交流を深めるために、会議には少しだけ余裕を持つことをオススメする。

 オンラインで仕事をすることは可能性を広げてくれる。ただ、これにより疲弊しないためにも、さらにはこの新型コロナウイルス対策の過程で人間関係を悪化させないためにも、思いやりを大事にしたい。

常見陽平(つねみ・ようへい)
常見陽平(つねみ・ようへい) 千葉商科大学国際教養学部専任講師
働き方評論家 いしかわUIターン応援団長
北海道札幌市出身。一橋大学商学部卒業。一橋大学大学院社会学研究科修士課程修了。リクルート、バンダイ、クオリティ・オブ・ライフ、フリーランス活動を経て2015年4月より千葉商科大学国際教養学部専任講師。専攻は労働社会学。働き方をテーマに執筆、講演に没頭中。主な著書に『なぜ、残業はなくならないのか』(祥伝社)『僕たちはガンダムのジムである』(日本経済新聞出版社)『「就活」と日本社会』(NHK出版)『「意識高い系」という病』(ベストセラーズ)など。

【働き方ラボ】は働き方評論家の常見陽平さんが「仕事・キャリア」をテーマに、上昇志向のビジネスパーソンが今の時代を生き抜くために必要な知識やテクニックを紹介する連載コラムです。更新は原則隔週木曜日。アーカイブはこちら

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus