働き方

在宅勤務制度定着へ始動 就業規則見直しや通勤定期廃止も

 新型コロナウイルス感染拡大によって緊急的に導入された在宅勤務などの働き方改革を、制度的に定着させる動きが始まっている。企業のトップが制度変更作業を指示し、就業規則の改定などに加え、通勤定期の支給廃止や在宅勤務手当の新設なども検討されており、働き方と同時に処遇も大きく変化しそうだ。

 損害保険大手のSOMPOホールディングス(HD)の桜田謙悟社長は「人事や総務などに就業規則の改定作業に入るよう指示した」と話す。今後、出された案をもとに、経営陣で改定に向けて議論に入るという。

 サントリーHDの新浪剛史社長も「出社して議論したりする日がある一方、在宅やサテライトオフィスを使ったテレワークも制度化したい」と語り、近く制度変更の検討に入る意向。その場合、通勤定期などの支給をやめる代わりに、出勤時の交通費を「電子マネーなどで精算する方式なども議論すべきだ」との考えを示す。

 また、東芝の車谷暢昭社長も、フジサンケイビジネスアイの取材に対し「製造現場やオフィスワークで違いはあるが、在宅勤務を恒常的な仕組みとして定着させたい」と述べた。

 大手企業のこうした取り組みの流れを作ったのは、中西宏明経団連会長の出身母体である日立製作所だ。5月26日に在宅勤務を標準化するための行動計画を公表。来年4月に在宅勤務の標準化などの新制度をスタートさせる。

 現状はオフィス勤務者を中心に約7割が在宅勤務となっているが、新制度でも出社は週2~3回のペースとし、それ以外は在宅勤務を前提にする。

 同時に在宅勤務の必要費用などとして月額3000円の手当てや、新型コロナへの感染リスクが高い環境での業務に対して、1日当たり500~1000円の手当てを制度化する。

 一方、各社が制度変更に取り組む中で大きな課題となっているのが、在宅勤務の労働評価の手法だ。これまで一般的だった勤務時間での評価を改め、成果で業務を評価する「ジョブ型」への移行が欠かせないとの認識がある。同時に、上司の指示も成果評価やチームワークを考慮するような新しい方法への転換も不可欠で、評価手法の変革が新たな働き方の制度化の大きな鍵となりそうだ。(平尾孝)

 日立製作所の在宅勤務標準化に向けた行動計画

 ≪5~7月≫

 ・これまでの在宅勤務の課題の振り返りと総括・在宅勤務に必要な費用など手当てとしての月額3000円支給を開始

 ≪8~9月≫

 ・個人の職務に応じた中長期的な勤務形態などの検討

 ・在宅勤務の積極的活用に向けた環境整備と各種手当などの取り扱い決定

 ≪10月~来年3月≫

 ・在宅勤務を標準とした働き方の試行開始。生産性向上・コスト最適化に向けた業務遂行方法、業務環境などの見直し

 ・コスト最適化に向けた各種手当、福利厚生などの見直し

 ・経営・労働組合の労使での規則・協定の見直し検討

 ≪来年4月以降≫

 ・新しい規則や協定の適用開始

 ・在宅勤務活用を標準とした働き方の正式適用

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