最強のコミュニケーション術

コロナ離婚危機は乗り越えられる 「3倍盛り」と「16分増し」で関係修復 (2/2ページ)

藤田尚弓
藤田尚弓

 会話を16分増やすことの効果

 残業などがなくなることで月収が減った場合、どうすれば夫婦の満足度を維持することができるのかという研究があります(*3)。その中からぜひご紹介したいのが、平日に16分夫婦の会話を増やすということです。実際には世帯年収や可処分所得などによって感じ方の違いはあるかも知れませんが、そのぶんを引いても効果的な方法だといえるでしょう。 

 経済も大きく変わっていきそうな転換期を迎えています。収入に変化のない人も、この機会に、16分でいいので会話を増やすことを意識してみませんか。このとき、妻への労いの言葉をかけることと、話を聞くことを意識するとかなり大きな効果が期待できると思います。心配事や悩みを聞くときは、アドバイスはなるべく控え、気持ちに寄り添うようにしてみましょう。目的は問題解決ではなく、夫婦関係をよくすることだということを忘れないようにするのがポイントです。

 コロナ離婚は熟年離婚に似ている!? 早めの対策が大切な理由

 ちょっとした行き違いや不快感情が時限爆弾のように組み込まれていくという点では、コロナ離婚は熟年離婚に似ているといえます。将来、突然別れを切り出されるようなことがないよう、対策をしておくのは大事ではないでしょうか。

 高齢になって、身の回りのことを一人でやり始めるのはなかなか大変です。独身男性は既婚男性よりも死亡リスクが1.9倍上昇するという研究もあります(*4)。どうせ死ぬんだから、そんなの関係ないと思う方もいるでしょう。そんな人には、死ぬ前の支援や介護が必要な期間のことを考えてほしいと思います。厚生労働省の統計によると、健康上の問題でなんらかの支援や介護が必要な期間は、男性の場合9.2年となっています(*5)。老人福祉サービスもありますが、ぜひ皆さんの地域でどのようなサービスが受けられるのか確認してみてください。きっと配偶者の大切さがわかると思います。

 ほんの少しの心がけで改善できることは、やっておいたほうがいい。これは職場でも、家庭でも同じです。今日からぜひ16分のねぎらいタイムを意識し、円満な家庭を維持してください。

*1 木下栄二,2004,「夫婦関係満足度を規定するもの」渡辺秀樹・稲葉昭英・嶋尚子編『現代家族の構造と変 容』東京大学出版会,277-292

*2 稲葉昭英,2005,「家族と少子化」『社会学評論』56: 37- 54

*3 山口一男「夫婦関係満足度とワークライフバランス」季刊家計経済研究, 2007

*4 BMC Public Health2007; 7: 73

*5 健康日本21(平成25年)厚生労働省

 

藤田尚弓(ふじた・なおみ)
藤田尚弓(ふじた・なおみ) コミュニケーション研究家
株式会社アップウェブ代表取締役
企業のマニュアルやトレーニングプログラムの開発、テレビでの解説、コラム執筆など、コミュニケーション研究をベースにし幅広く活動。著書は「NOと言えないあなたの気くばり交渉術」(ダイヤモンド社)他多数。

最強のコミュニケーション術】は、コミュニケーション研究家の藤田尚弓さんが、様々なコミュニケーションの場面をテーマに、ビジネスシーンですぐに役立つ行動パターンや言い回しを心理学の理論も参考にしながらご紹介する連載コラムです。更新は原則毎月第1火曜日。アーカイブはこちら

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