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電機大手決算、自動車関連で苦戦 ソニー・富士通は堅調

 電機大手8社の令和2年4~6月期連結決算が12日、出そろった。新型コロナウイルス感染拡大の影響で足元の4~6月期は富士通を除く7社の営業損益が減益または赤字となり、特に世界的な自動車需要の冷え込みの影響を受けたメーカーの落ち込みが顕著となった。3年3月期の業績見通しでは各社とも巻き返しを予想するが、今後の感染状況次第のところもあり不透明感が漂う。

 電機各社は自動車メーカーに部品などを納めているほか、FA(工場自動化)機器といったシステムも出荷。このため新型コロナ影響で自動車生産が滞ると、電機側の生産にも大きく波及する構造となっている。

 4~6月期の本業のもうけを示す営業利益が前年同期比53・1%減となった日立は部品、93・3%減のパナソニックは車載機器や米電気自動車大手テスラ向け円筒電池が落ち込んだ。三菱電機は部品に加えて、自動車向けFAシステムも低調で、営業利益は63・2%減となった。37・8%減のシャープも車載向け液晶パネルが不振だった。

 自動車関連以外でも新型コロナの影響は大きく、営業赤字を計上した東芝やNECは工場の稼働率低下や売り上げ減などが響いた。

 一方で堅調な実績を残したのがソニーと富士通だ。ソニーは自宅などの生活を楽しむ“巣ごもり需要”でゲームや映画が好調で、消費意欲減退で販売が大きく減った家電やカメラなどの部門の赤字を補った。富士通もコロナ禍でのデジタル化に向けたソフトウエア事業が伸びている。

 通期の業績見通しについては、経済活動の再開に伴い各社とも下期から徐々に景気が回復するとみて黒字を予想する。中でも富士通、NEC、シャープの3社は営業増益と見込む。

 富士通は新型コロナ対応でテレワークや非接触・無人化、行政のデジタル化といった需要を取り込みたい考え。4~6月期は不振だったNECも「ニューノーマル(新常態)」に向けた取り組みとして、生体認証や映像分析技術を活用した感染症対策システムの提供を始める。営業利益で前期比55・4%の大幅増を掲げたシャープは、各国で経済活動が段階的に正常化することを前提に家電やパソコンが伸びると予想する。

 ただ、新型コロナの感染が再び深刻化した場合は、各社とも業績見通しの下方修正を迫られる可能性がある。構造改革道半ばの東芝をはじめ、各社ともコロナ禍でも安定的に稼げる収益モデルの構築が急務となっている。

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