書評

『囚われの山』伊東潤・著 新たな切り口で描く「八甲田」

 明治35年に起きた「八甲田雪中行軍遭難事件」を題材にしたミステリー。売れない歴史雑誌の編集者、菅原は起死回生の企画として「八甲田山」の記録を改めて調べるうちに、遭難死した人数が合わないことに気がつく。さらに、日露戦争前に行われた行軍の目的にも不審な点が浮かび上がる。現地取材に訪れた菅原がたどり着いた「衝撃の事実」とは…。過去に映画でも大ヒットした遭難事件を軍事や地域といった新たな切り口で取り上げ、ユニークなミステリーに仕立てた。出口の見えない彷徨(ほうこう)を美貌の編集長や妻との離婚と絡めたのはブラックユーモア?(中央公論新社、1800円+税)

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