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マイボトル文化を築いたサーモス 成功したカテゴリーブランディング (1/2ページ)

秋月涼佑
秋月涼佑

 ステンレス製魔法びんのマイボトルを職場やゴルフなど出かける先々に持参する人は、どこか丁寧で堅実、スマートというイメージがあります。最近では会社にも立派なウォーターサーバーが備えられ、街を歩けばそこかしこにコンビニ、自動販売機と水分補給に困ることはそうはないような気がします。私の様に、職業柄何か目新しいものにキョロキョロしている、現地調達前提を疑いもしない人間は、かさばったり、準備する面倒があったりしながらもマイボトルをカバンに入れている人をちょっとした畏敬の念で見ています。

 聞いてみると、いつ何時でも水分補給に困らない安心感や、安全・安心が確認された飲み物をいつでも飲めるこだわり。もちろん、倹約効果も高く、エコロジカルという多くのメリットが意識されているようです。

 酷暑の時代にますます高まるニーズ

 そんなマイボトル、酷暑の時代も相まって年々持ち歩く人を多く見るような気がします。

 サイズ、機能、デザインのバリエーションが広がり、カールおじさんがくびからぶらさげていそうな水筒とまったく違う先進的ファッショナブルなアイテムへと進化し、女性や若者にも受けいれられています。小中学校などでは夏場、容量の大きなものを持参するよう要請されるケースもあるようです。

 逆に言えばもはや当たり前の生活習慣として定着している分、かつてマイボトルブームがあったと言われてもピンときませんが、2010年頃に注目された現象です。それまで日常的な出先に水筒を持ち歩く習慣はほとんどなかったわけですが、そんな習慣を大きく変化させることに貢献したのがサーモス社が開発した「ケータイマグ」です。 

 ケータイマグは、水筒のように携帯でき、マグカップのように手軽に飲める、というコンセプトで作られたそうです。飲み物を携帯する以上、持ち運んだときに漏れない構造であることは絶対的な必要条件ですが、かつての水筒はコップを外して、中せんを回し開け、飲み物を注ぐという手軽とは言いがたい使い勝手でした。飲みたいときにすぐ飲めるような仕組みを実現したのが、2000年にサーモス社が発売したワンタッチ・オープン機構です。

 飲み物がこぼれないようにしっかりと密閉され、ロックを外せばワンプッシュでフタが開けられる上、そのまま口をつけて直接飲むことができるという今では当たり前になった機能性の高さがマイボトル時代を切り拓いたと言えます。

 外観からは想像できない高機能プロダクト

 一見シンプルに見えるマイボトルも、その中身の多くは高機能プロダクトです。いわゆる魔法びん構造。つまり内びんと外びんの間が二重構造で真空になっており、伝導と対流による熱の伝わりを防ぐことで保温・保冷を長続きさせているとのことです。確かに、外観からはその複雑な構造を感じさせないのに、驚くほど長時間冷たかったり温かかったりする不思議さは、魔法という相当に期待感を上げてくる言葉に負けていません。

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