働き方

インターンシップの応募、採用抑制を警戒で過熱 企業はオンラインで工夫

 2022年卒業予定の大学3年生らを対象にしたインターンシップが本格化している。新型コロナウイルスの感染拡大を受けた採用の絞り込みを警戒する学生は前のめりになり、応募は過熱気味だ。受け入れ側の企業は感染予防が求められる中で多くがオンラインでの開催に工夫を凝らす。

 「とにかく数多く応募していくしかない」。津田塾大3年の女子学生(21)は焦りをにじませる。多くの企業の社風を知って志望を決めようと6月から10社以上に応募したが、参加できたのは4社。いずれも1日の仕事体験にとどまった。

 先輩や同期から「コロナで先行きが見通せない分、インターンで企業と接点を持つのが重要」と聞かされていた。思うように進まず「ここまで受からないなんて」と驚きを隠せない。

 就職情報会社「マイナビ」によると、7月時点でインターンに応募したことがある22年卒の学生は85.9%で、担当者は「早く動きたい気持ちが強まっている」。在学中に参加したいインターンの数の平均も8.1社と、21年卒の5.1社から増加した。

 第一生命保険が8、9月に企画した夏のプログラムには昨年の2.5倍の参加申し込みがあった。ただ、本社などに集まり3日間にわたって開催する予定は、7月の感染再拡大を受けてオンラインに変更。入社の決め手に「人の魅力」を挙げる社員は多く、長屋晶子採用グループ長は「対面で雰囲気を伝えたいとの思いはあった」と話す。

 「家でずっとパソコンの前で聞くのは学生が大変ではないか」などの意見が出され、期間は1日の仕事体験に短縮。ウェブ上でシンガポール在住の社員との質疑や座談会を企画したものの、学生が会える社員らの数は例年の約30人から10人ほどに減少。参加者には追加プログラムも検討する。

 オンライン化した仕事のやり方を見せる企業もある。最長6週間の長期インターンをエンジニア志望者向けに行うLINE(ライン)では、学生は自宅で自社サービスを改善するプログラミングに取り組み、在宅の社員がビデオ通話をしながら修正点を指摘した。

 東京海上日動火災保険では社内を中継で案内した他、取引先法人とのウェブ上での商談イベントを見せるなど3日間続けてオンラインで開催。採用担当者は「インターンで興味をもってもらわないと学生は採用選考に応募してくれない。質を落とさずに開催していく」と話した。

【用語解説】インターンシップ 学生が企業での就業体験を通じて仕事や職場への理解を深める機会。数日から3カ月以上のものまで、さまざまな期間で実施されている。一部の企業では事実上の選考につながっている現状があるため、政府は採用選考とは異なるものだと明確にするよう企業に求めている。経団連と大学でつくる産学協議会は、1日限りのプログラムに関しては就業体験が十分にできないとして「インターンシップ」の名称を使わないことを決めている。

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus