この連載にローカリゼーションマップとタイトルをつけているように、もともとローカルのコンテクストへの関心が強い。
ぼくはイタリアに長く住んできたため、日本で「欧米の文化や動向」と称する中身がその地域の極めて一部の現象に対する解釈の結果であり、更に言ってみれば英米文化の一部の幻想モデルであるのがはっきりと見えることがある。
イタリアは欧州文化のヘソでありながら、現代のビジネスコンテクストではメインストリームではないからこそ見える風景があるのだ。そういうところから、最近ではローカル文化が色濃く出るラグジュアリー領域における新しい意味とは何かを見ている。
そうすると、これまたフランスが上手く演出したラグジュアリービジネスが、ラグジュアリーのすべてであるとの誤解を生んでいる。英国にあるホスピタリティ、スイスの時計、イタリアにあるゼロからラグジュアリービジネスを起こすノウハウ、これらがあまり視野に入っていない。
ぼくが十数年前に電子機器で経験した、ビジネスパーソンの文化に対する鈍感さが相変わらず「発揮」されている。
編集部に許されるのなら、まだまだ語り続けたい。この文化とビジネスのテーマは範囲が広く、多数の要素が複雑に絡み合っていて、「それ風」と「それ」の区別がとても難しいのだ。
【ローカリゼーションマップ】はイタリア在住歴の長い安西洋之さんが提唱するローカリゼーションマップについて考察する連載コラムです。更新は原則金曜日(第2週は更新なし)。アーカイブはこちら。安西さんはSankeiBizで別のコラム【ミラノの創作系男子たち】も連載中です。