ブランドウォッチング

メルセデス・ベンツSクラス 衝撃的なフルモデルチェンジが探る極点 (1/3ページ)

秋月涼佑
秋月涼佑

 「最善か無か」

 このメルセデス・ベンツのあまりにも有名なキャッチフレーズを最もよく体現する車種があるとすればSクラスをおいて他にありません。世界最古の自動車会社の1つを源流にもつ自動車ブランドが営々と築き上げてきたブランド価値は、世界のどこであっても、控えめに言って極めて高く、中でもフラッグシップサルーンたるSクラスはビル・ゲイツから金正恩までありとあらゆる世界の権力者、成功者に愛用されてきました。

 7年ぶり7代目フルモデルチェンジともなれば、業界関係者ならずとも注目せずにはおれませんが、9月初旬にワールドプレミアされたその中身は、意表を突かれるほど大胆な変貌を遂げ業界関係者を騒然とさせています。

 一昔前であれば、最高級のサルーンともなれば、保守的な顧客を驚かせない範囲でアップデートするさじ加減が不文律でしたが、今回のモデルチェンジ、大横綱にしての攻め加減を見ればいかに自動車産業が変化の渦中にあるか実感させられます。

 世代を飛び越えたかのような斬新な変化

 何と言っても、コンソールから立ち上がる巨大と言って良いディスプレイ。タブレット端末2枚分はあろうかという12.8インチ(標準は11.9インチ)のサイズ感で、現行Sクラスではメーターナセルに横長に配置されていたことを考えれば見慣れないこともあり、インパクトがあります。新世代のMBUX(メルセデスベンツユーザーエクスペリエンス)のインターフェースとして使われるとのことです。

 率直な私の第一印象はテスラです。あの自動車産業に殴り込みをかける新参者にてイノベーターと見なされているテスラ。確かにテスラ各車種のセンターコンソールにはタブレット端末のような大型タッチディスプレイが設置され、あくまで従来の“自動車”と一線を画すことをアピールしてきました。それにしてもチャレンジャーと対局の立場にいるメルセデス・ベンツ、しかもSクラスがこれほどまでに大胆に自らの文法を変えてくるとは。物理スイッチのひとつひとつまで、理詰めに突き詰められた形状、その動作ロジックの完全無欠を標榜してきただけに、永久にそのメルセデス流を貫くかとさえ思っていました。 

 メルセデス・ベンツ自身がCASEという自動車の未来ビジョンを表明したのが、2016年。いよいよ新型車にその未来像が反映されてきたということかと思います。

 もちろんディスプレイ以外の装備も、レベル3の自動運転、後席エアバッグ、従来モデルでも注目された専用フレグランスにイオナイザーのAIR-BALANCEパッケージ、などかなり先進的な内容になっています。

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