働き方

コロナで就職難に陥る留学生 希望職種の少なさも影響か…人気は商社やIT系

 新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、日本の大学で学び国内での就職を希望する外国人留学生が就職難にあえいでいる。業績悪化に直面する企業が採用を抑制しているためで内定率は低迷。入社直前に内定を取り消されたケースもあり、優秀な外国人の海外流出など悪影響が出かねないと懸念する声も出ている。

 10日前に取り消し

 就職情報を提供し留学生向けのイベントなどを手掛けるディスコ(東京)によると、2021年卒業見込みの留学生(大学院生を含む)のうち7月時点で内定をもらったのは前年同月比9.1ポイント減の31.5%で、日本人の77.7%より深刻さが目立っている。

 今年3月に西日本の大学を卒業したインド出身の女性(23)は外資系の人材派遣会社に内定を取り消された。「取り消しは入社予定日の10日前。貯金を使い切って東京に引っ越したため家賃の支払いに困った」と話す。現在はIT企業でアルバイトをしながら就活を続けている。

 学生の約5割を留学生が占める大分県別府市の立命館アジア太平洋大(APU)の国際経営学部で学ぶ男性(22)は、広告業界の営業職を目指しているが8月になっても内定はゼロ。「例年は6月までに大半の留学生が内定をもらっているのに」とこぼす。

 希望の職種少なく

 政府は19年4月に在留資格「特定技能」を新設し、建設、農業など人手不足が深刻な14業種で外国人の受け入れを拡大したが、留学生に人気の職種は商社やIT関連、コンサルタントなどで、就職支援にはつながっていない。

 大阪市の大学に通うパキスタン出身の男性(26)は、IT企業で企画や営業の担当として働くことを希望する。「日本人の2倍以上の時間をかけてエントリーシートに日本語で志望動機を書き、日本人でも難しい試験を日本語で受けたが、内定がもらえずへこんでいる」と話した。

 営業のような職種では日本語の能力が重視されるが、ディスコが留学生に日本語能力について尋ねたところ「母国語レベル」との回答は18.1%だった。APUのキャリアオフィスで留学生の就職活動を支援する佐藤加代子さんは「留学生ならではの人間性や才能、専門性を評価しないで日本語力だけを重視する企業は問題だ。日本で学んだ留学生が海外で就職する流れが広がるかもしれない」と懸念するが、留学生が即戦力として活躍できる職種は少ないのが実情だ。

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