キャリア

リモート営業の第一人者 ジャパネットたかたの「画面越しに売る奥義」 (1/2ページ)

 今日は紫陽花を飾りました

 ジャパネットたかたは初め、東京や福岡のスタジオを借りてテレビショッピングの収録をしていましたが、スピードを重視しようと長崎県佐世保市の本社にスタジオをつくりました。その結果、出演するタレントさんを長崎までお呼びできないので、僕が1人でMCをやるしかない。そこで口下手ながら、伝えるための試行錯誤を続けて何とかやってきました。多いときには1時間で17商品を紹介したこともあります。

 この春は僕も一気にオンライン会議が増えました。飛行機や新幹線に乗ることは控えていますから、外の方との打ち合わせやこうした取材も、すべてオンラインでお願いしている状況です。

 ここはオフィスの会議室ですが、もとはただの白い壁でね。背景が白一色だと、僕の顔が暗く映ってしまって表情が伝わりにくい。全体が明るく映るようタペストリーで背景を演出したり、季節の花を飾ったりして、雰囲気を変えてみました。今日は紫陽花を飾っています。

 使うカメラも試行錯誤です。最初はノートPCに内蔵されているカメラをそのまま使っていましたが、画質があまりよくなかった。それで外付けのカメラにしたり、iPhone 11 Proを使って会議をしてみたり。でもスマホは画面が小さく相手の表情などがわかりづらいので、いまはカメラのスペックが高いノートPCに買い換えました。

 このように最初は設備やハード面で準備に手間取りましたが、オンライン会議そのものには100%というくらい違和感はなかったですよ。僕はラジオやテレビもやりましたが、メディアが違っても、伝えるときに大事なことは変わらない。

 人に伝えるときに大切なのは、メディアの向こう側にどんな人がいるのかを想像してわかりやすく伝えることです。ラジオショッピングは商品が見えません。

 例えば、目がご不自由な方は日常どうされているでしょうか。心の目で見ていらっしゃる。そう思えば、商品を想像できるよう、自然に伝え方を工夫しますよね。

 メッセージは、相手が受け取ってこそ「伝わる」

 要は、自分の伝えたいことだけを「伝える」のではダメ。メッセージは、相手が受け取ってこそ「伝わる」のです。これはコミュニケーションの基本で、どんなツールを使っても同じです。そのことがわかっていれば、急にオンライン会議になっても動じることはないはずです。

 残念ながら、日本人はコロナ禍の前からコミュニケーションが苦手なように思います。国会の審議や記者会見などを見ても、原稿を読んでいるような言葉はいくら聞いても心に響かないときがありますね。自分の言葉で話すには、自分は「何を」伝えたいのか、「なぜ」そのことを伝えたいのかをはっきりさせることが重要です。

 テレビショッピングでも、自分が伝えたい商品を勉強し熟知していないと、いくらトークのテクニックがあっても相手には響きません。逆に言うと、「この商品はこういう理由でみなさんの役に立つ」と明確に示せるなら、表現が多少うまくなくても注文をいただけます。

 本気度も重要です。いざ話した後、向こうから質問があって「そこはわかりません」と自分の考えを話せないようでは本気度が疑われます。「なぜこれを伝えるのか」というミッションと、「本気でこれを伝えたい」というパッション。この2つがあってこそ、言葉が自分のものになるのだと思います。

 ミッションとパッション、その次にようやく技術が活きてきます。長年遠隔で商品を販売してきた僕が意識していたのは話の展開です。テレビショッピングで商品の魅力を伝えるときに、性能や価格などの話と、どう役に立つのかというソフト面の話を混ぜるのは厳禁。混在させると、人間の脳はついていけずに理解力が落ちてしまう。もちろん機能もソフト面も重要ですから、そこを分けたうえで話の順番を考える必要がある。

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