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「周囲が幸せだから幸せ」 多くの人がそっとポケットにしまい込んでいた言葉 (1/3ページ)

安西洋之
安西洋之

 ソーシャルイノベーションの第一人者であるイタリア人、エツィオ・マンズィーニの本を日本語に訳した。先週、『日々の政治 ソーシャルイノベーションをもたらすデザイン文化』とのタイトルで出版された。本コラムで「訳者のあとがき」では書けなかったことを書いておきたい。

 世の中のすべてが一挙に変わることはない。一見、大きな変化がすべてを覆い尽くしているように見えても、実際、社会はいくつかの層に分かれている。変わりやすい層が短期間でかわり、変わりにくい層はいつまでたっても同じだ。

 例えば、「平成を過ぎてもまだ昭和モードかよ!」との皮肉な批判が頻繁に飛び交う。だが、50年から100年の年月が経ても変わらぬ文化や精神性もある。「良いものは時を超えていつも良い。人の心はそう変わらない」もその一つである。だからこそ、ビジネスのやり方などを批判の標的とするのは妥当だ。 

 変わるべき層で変わり(あるいは状況に適合し)、変わるべきではない層は変わらない(あるいは適合を拒否する)ことが肝心だ。一つテーマを提示しよう。

 幸福とはどのような状況で心に抱く感情だろうか?はたして他者を蹴落とした後の高揚した気持ちであろうか?

 マンズィーニの問いだ。

 この何十年間か、なにごとも資本主義下のビジネスを基準に競争原理とその適用が強調され続けてきた。

 社会主義圏の人々の生活の平等を重視する政策は社会経済的停滞を招き、30年前に東西冷戦が終結して以降、世界の広い地域に渡って自由や競争がより前面に押し出された(共産党の中国においてさえ、である)。

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