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“ヤマトは我なり” ヤマトグループ新ユニフォームが荷物と共に届けるメッセージ (1/3ページ)

秋月涼佑
秋月涼佑

 ヤマト運輸を中心とするヤマトグループの制服が新しくなり9月中旬から街角でチラホラ見かけるようになりました。コーポレートカラーの深い緑に差し色の黄色が効いたカラースキームは、長年誰もが親しんだ色合いで初めて見ても違和感はありません。ポケットのシルエットが視覚化されるなど、機能的な印象が強調されていて、世の中がヤマトに期待する“縁の下の力持ち”的な信頼感を絶妙に表現しているように思います。

 ここ10年ほどで一般向けのスポーツ、カジュアル着もさることながら、ワークウエアの世界でも機能性の高い繊維や縫製などの革新が進み、動きやすく働きやすいウエアが比較的容易に手に入るようになりました。そういう意味では、純粋に年々忙しくなっている運輸の現場にその恩恵をフィードバックするタイミングだったということが何よりも一義的な新ユニフォーム導入の理由かもしれません。

 実際に、「伸縮性」「耐久性」「撥水性」「収納力」「防寒性」「安全性」という機能性の高さを東レや帝人フロンティアなどの繊維メーカーの協力も得て徹底追求したとのことです。

 確かに一時期物流クライシスとまで指摘された、激増する通販などの荷物に対して、長年の労働慣行や頑張りで対応してきたのも限界が露わにもなりつつありました。だとすれば、少しでも快適に働けるユニフォームに刷新することは、スタッフのモチベーションも上がりますし、厳しい職場環境での生産性を少なからず上げることになり、とても合理的な取り組みであるように感じます。

モヤモヤを払拭する絶妙のタイミング

 それにしてもこのタイミングの絶妙さです。新型コロナウイルス流行の影響で、多くの職業で異例の在宅勤務やリモートワークを余儀なくされる中、むしろライフラインとしての宅配便のありがたみを新ためて認識した人も多かったはずです。実際に宅配便のスタッフは、そんな厳しい状況の中で毎日変わらずというよりもむしろ忙しく社会を支えてくれた実感を誰もがかみしめてもいます。

 ちょっと前を振り返れば、逼迫する労働環境の要請もありヤマト運輸は各荷主に値上げを提案せざるを得ず、本来であればデフレの時代打開の先陣と理解されても良い取り組みであったかもしれなかったものの、やや拙速、強引と受け取られ長年の得意先から不満の声があがってもいました。

 もちろん今回の新制服、疑いなくかなり以前より準備された施策であることでしょうが、結果としてそんなモヤモヤを吹き飛ばし、社会に対してもコロナ流行最悪期からのリスタートを期する最高のタイミングだったのではないでしょうか。

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