働き方ラボ

コロナ禍の「新しい世界」を生きる新入社員へ 悩みを抱え込むな (1/3ページ)

常見陽平
常見陽平

 新入社員時代の話をしよう。それは地獄の日々だった。研修期間は毎日、極度の緊張感でピリピリしていた。アポとり電話研修、飛び込み営業研修、営業ロールプレイングなどは、心身ともに疲弊するものだった。飛び込み営業研修では、気乗りしないまま、思わず「1位になる」と宣言してオフィスを出たところ、成績は振るわず。しかし、情け容赦なく教育担当は「負けたら、悔しがれ」と怒鳴った。最終日では過呼吸となり、会社に戻った瞬間倒れ、救急車で運ばれた。

 配属前の泊まり込み研修は、いわゆる自己啓発セミナーのようなものだった。周囲の評価と自己評価のズレについて、研修担当の先輩、同期から徹底的に問い詰められた。辛くなり、その晩の打ち上げでは泥酔した上に、倒れた。

 配属されてからは、営業会議で売れない理由を問い詰められる。朝から早朝まで働く日々だった。これだけ忙しいのに、なぜか毎月、宴会と芸の準備をしなくてはならなかった。さらに、突然、上司や先輩に飲みに誘われることもあり、その度に泣かされた。土曜日はどっと疲れて、昼まで起きられないのだが、仕事が片付かないので、日曜の午後は会社に行くという日々だった。「これは、東京の大学に進学してまでやりたかったことなのだろうか?」と自問自答した。

 1997年に社会人になったのだが、言うまでもなく山一證券と北海道拓殖銀行が破綻した年だった。ただ、社会はどんどん暗くなっていくような気がした。翌年、SMAPが「夜空ノムコウ」をリリース。イントロを聴いた瞬間、黙って泣いた。さらにその頃、上司、先輩から飲みの席で「もうすぐ次の新人が入ってくる。お前に教えられることは、あるのか」と言われ、飲みの席ですすり泣いた。

 当時は、今よりもずっと気合と根性の新人研修や、ハラスメントまがいのマネジメントがまかり通っていた。私自身、仕事が出来たわけではないし、不器用だった。とはいえ、いつの時代も、新入社員とは思い描いていた世界とのギャップ、予想以上の泥臭い仕事に悩むものである。ただ、今年はいつもの年とは違う。言うまでもなく、新型コロナウイルスショックの影響だ。

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