日本郵便の非正規社員の手当などの待遇格差を「不合理」とする最高裁判決が示された15日、原告の契約社員らが都内で会見を開き、「非正規という『身分』が確立しつつある中で、時代の扉が動く判決だ」と喜びを語った。
原告の1人で、時給制の期間雇用社員として13年間佐倉郵便局に勤務する宇田川朝史(あさし)さん(55)は「けがで休職に追い込まれた仲間への手当は一切なかった。会社は判決を謙虚に考え、提訴していない社員にも手当を出すよう早期に動いてほしい」と話した。
西日本弁護団の森博行弁護士は、雇用期間が5年以下の場合、年末年始勤務手当などが支給されないのは適法とした大阪高裁の判断が否定されたことについて「(最高裁は)大阪高裁を正面から批判し、ひっくり返す判断をした。賞与を除く全てが認められ、完全勝利だと思う」と述べた。
一方、東日本弁護団の棗(なつめ)一郎弁護士は「賞与の支給額の格差について、最高裁への上告が受理されなかったのは不満だ」と話し、「同じ期間勤務している正社員と比べると、4倍以上の差がある」と支給額の大きい賞与の格差が是正されなかったことを批判した。