社会・その他

コロナ禍の渋谷ハロウィーンどうなる クラスター懸念、参加自粛要請も

 仮装姿の若者らが街を練り歩くなどする10月のハロウィーンで、例年多くの人出がありトラブルがおきる東京・渋谷では、新型コロナウイルスへの対応を迫られている。JR渋谷駅前など一定のエリアに数万人規模が集まる可能性があり、クラスター(感染者集団)発生などの恐れがあるためだ。ハロウィーン本番となる土曜日の31日を前に、渋谷区は異例の参加自粛を呼び掛け、警視庁も安全確保へ態勢を整える。

 来なくても体感

 「『3密』を避けなければならない。渋谷に来ることは自粛してほしい」。22日に記者会見した渋谷区の長谷部健区長は、硬い表情で呼びかけた。東京都内では、新型コロナの感染者が累計3万人を突破。予断を許さない状況が続く中で、万単位の若者らが押し寄せる可能性があるイベントに警戒感は強い。

 対策は多岐にわたる。昨年まで設置していた仮設トイレや着替えスペースを今年は設けない。渋谷駅前などには既に「HOME HALLOWEEN」や「外出自粛」などと書かれた看板や旗を掲示。コンビニエンスストアなど、周辺の酒類販売店へ販売自粛を呼びかけた。

 目玉は、仮想空間「バーチャル渋谷」だ。日本初の自治体公認の仮想空間で、スマートフォンなどで専用アプリをダウンロードすると、仮想の渋谷の街をアバター(分身)となって歩き回ることができる。

 31日までのハロウィーン期間中はバーチャル渋谷の街並みがデコレーションされ、音楽ライブや、アバターによる仮装コンテストなどが開かれるという。26日にオープニングイベントを行う予定だったが、アクセス集中でサーバーがダウンし延期となるなど、関心は高いようだ。長谷部区長は「実際に来なくても、渋谷を感じていただけるよう工夫した」と強調する。

 事故防止へ警察も

 警視庁も対応に当たる。渋谷でのハロウィーンには近年、外国人の参加も多く「日本在住者だけでなく、この日に合わせて来日する者もいたほど」(同庁幹部)。だが、今年は新型コロナの影響で海外からの入国が制限され、渋谷区の自粛要請もあって参加者は減少するとの見方があるという。

 雑踏事故などへの懸念はあり、29日から態勢を組んで機動隊などを必要に応じて出動させる。本番の31日は区側の警備員らも巡回予定で、連携する。政府の新型コロナ対応をめぐり、同駅前で継続的に抗議活動を行うグループなどに目を配るほか、現場を訪れた車両が危険走行をする事態なども想定して、対策を取る。

 渋谷でのハロウィーンをめぐっては一昨年、酒に酔った男らが軽トラックを横転させる事件などがあった。同区は昨年6月、ハロウィーン期間中の路上飲酒などを禁じる条例を施行したが、この年も都迷惑防止条例違反(痴漢)や窃盗の疑いなどで約10人が逮捕されるなどトラブルは後を絶たない。

 渋谷センター商店街振興組合の小野寿幸理事長は、新型コロナ禍で各店舗の売り上げが減少していることを念頭に「ハロウィーンでクラスターが発生したら、窮状に追い打ちをかけることになりかねない。今年は本当に来訪を控えてほしい」と訴える。

 一方、さまざまな情報を基に毎年のハロウィーンの推計市場規模を算出している日本記念日協会(長野)は、今年はコロナの影響が大きく正確なデータが取れないなどとして「推計不能」とした。昨年の推計は消費税増税の影響などもあり、前年比約7%減の1155億円だった。ただ同協会の推計市場規模は3年連続で減っており、商戦はそもそも曲がり角にあったとの見方もある。

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