Zoffは眼鏡業界のユニクロになれるか
店頭のデザインVI(ビジュアルアイデンティティ)も、機能性を感じさせる非常にミニマムなもので、Zoffの青いサインが色味を抑えたクールな空間に映えています。味方によってはちょっと淡白で冷た過ぎる男性的な世界観ではないか、という感もありますが、「社内でも危惧がありましたが、女性のお客様含めて好評、売上も落ちず安堵しました」とのことです。やはり自分たちのブランディングに確信があるならば、あれやこれやでなくブランドコンセプトに一貫性ある世界観の一択です。ここはその覚悟や良しとしたいところです。
ファッショナブルでありながら、機能性を軸にしたプロダクトの機能性と、SPA業態ならではのリーズナブルな価格帯の商品ラインアップを見ると、どうしても“ユニクロ”を想起してしまいます。「ユニクロさんのことは、同じSPA業態のトップランナーとしてもちろん意識、リスペクトしています。」とのことですので、今やSPA業態のみならず日本産業界のトップランナーとなったユニクロの良い点に学ぶことはむしろ当然のことに違いありません。
今や100円ショップにもサングラスならば置いてある時代。日本の眼鏡業界は最盛期6千億円あった売上規模が4千億円弱まで落ちてしまっているとのこと。コンタクトレンズとの競合、価格競争による製品価格の下落など課題は多いことは間違いありません。ですが、同じく市場環境の厳しいアパレル業界でユニクロが勝ち抜き、生活者にも大いに受け入れられていることを考えれば、まだまだ眼鏡業界でもチャレンジできる余地は大きいとみるべきでしょう。
【ブランドウォッチング】は秋月涼佑さんが話題の商品の市場背景や開発意図について専門家の視点で解説する連載コラムです。更新は原則隔週火曜日。アーカイブはこちら