日本学術会議は12日、記者会見を開き、第1部(人文・社会科学)の新会員候補6人の任命見送りについて、第1部幹事の小林傳司(ただし)・大阪大名誉教授が「総理や官房長官がさまざまな説明をしているが、6人だけが任命されなかった説明にはなっていない」と述べ、改めて任命見送りの理由説明と任命を求めた。
また会見では、梶田隆章会長が、日本学術会議を含む各国のアカデミーなどが加盟する国際的な学術団体である国際学術会議(ISC)のダヤ・レディ会長から、任命見送りをめぐる現状についての懸念を表明する趣旨の手紙を受け取ったことを明らかにした。
学術会議は社会への情報発信の強化が必要と判断し、2週間に1回程度、記者会見を開いている。梶田会長は「今回の任命をめぐる事態が世界のアカデミーの懸念事項になっている」と語った。