「現在の日本に、彼のように自分の実も名も顧みず、ただ、人のために命懸けで働くことができる人はどれだけいるでしょうか? 多くの人にこの映画を見て、彼の遺志を感じとってほしい」
こう語る廣田さんは昭和21年、熊本県人吉市で生まれた。鹿児島大学を卒業後、法務省に入省。キャリアとして大阪赴任時代、司法試験に合格し、昭和52年から、大阪弁護士会に所属し、大阪で弁護士として活動を続けてきた。
現代日本人へのメッセージ
廣田さんと映画とのかかわりは約15年前に遡る。故郷・鹿児島の旧制高校を舞台にした映画化を企画し、そのプロデューサーを務めることになったのだ。
主演に重鎮俳優、三國連太郎をキャスティングし、神山征二郎監督がメガホンを執った映画「北辰斜めにさすところ」は2007年に公開された。
廣田さんにとって「天外者」は2本目のプロデュース作品だ。
「五代友厚プロジェクト」の後援会のメンバーには、大阪商工会議所や大阪観光局など行政機関や民間企業をはじめ、鹿児島県や鹿児島市、鹿児島商工会議所に長崎商工会議所の有志、また、五代の妻、豊子の出身地である奈良県の地元の有志など五代や廣田さんゆかりの地の協力者たちが名を連ねる。
10月、五代の銅像が正門に建つ大阪商工会議所の大ホールで関係者を集め試写会が開かれ、映画「天外者」が初めてお披露目された。
「実は途中、何度も映画化が頓挫する危機に見舞われました。完成後もコロナで公開が危ぶまれた。構想から7年もかかってしまいましたが、ようやく公開までこぎつけることができ、ほっとしています」と廣田さんは感慨深げに語る。
12月の公開に向けて、「五代の故郷の熊本や、私の故郷の鹿児島などに行ってお披露目の試写会を開き、日本中に協力者を増やしていきたい。五代の生涯を大スクリーンで多くの人に確かめてもらうために…」と廣田さんは意欲を見せた。