働き方

外国人特定技能者が想像以上の活躍 クリーンな労働環境整え「選ばれる国」に (1/2ページ)

 外国人に単純労働を認める在留資格「特定技能」の取得者がなかなか増えない。危機感を抱いた人材派遣会社や受け入れ企業などが企業連合体「特定技能 受入定着促進プラットフォーム」を立ち上げ、悪質企業の排除や日常生活の支援などに乗り出した。問題を払拭することで人手不足を補う即戦力の来日を促す。

 「お客さま(利用者)に親切にしてもらい楽しく働いている。もっともっと頑張ってスキルを身につけていきたい」

 同プラットフォームに参画する1社で、介護事業などを手がける桜十字グループ(熊本市)に10月に入社し、東京・板橋の介護施設で働くミャンマー人女性マーマーティさんは比較的流暢な日本語でこう話した。

 想定以上に活躍

 特定技能で働く同社初の介護人材だが、業務への積極姿勢が利用者から評価され、会話中に日本語が出てこなくても「マーマーちゃん、分かっているから大丈夫よ」と温かく見守られているという。海外人材事業部の小林慎哉部長は想定以上の活躍に「まだまだ伸びしろがある」と期待を寄せる。

 この施設では11月から、インドネシアから来日した特定技能人材も働いており、互いに切磋琢磨しながらスキルを磨いている。同社は12月以降も積極的に受け入れる予定で、両国のほかフィリピンや台湾から計12人の入社が決まっている。

 しかし日本全体では特定技能人材が続々と来日しているわけではない。特定技能が始まったのは昨年4月。政府は2024年度までに34万5000人の外国人労働者を受け入れる予定だ。初年度は最大4万7500人を見込んでいたが、3987人と悲惨な結果に終わった。開始から1年半の9月末時点で約8700人と3月末から倍増した。しかし新型コロナウイルス感染拡大による入国制限もあって増加分の大半は「技能実習」からの資格変更とみられ、日本で働く外国人がそれほど増えているわけではない。

 外食や介護など特定技能の対象14業種は、人々の生活に直結しながら日本人が集まらず人手不足が深刻化している。それだけに特定技能人材が今後の日本で重要な役割を果たすと期待される。にもかかわらず、1年目は低調に終わった。

 この現状を打開するため、海外の送り出し機関や日本での受け入れや支援を担う企業が団結し、プラットフォームを創設した。

 「選ばれる国」に

 9月末に厚生労働省で開かれた記者会見で、プラットフォーム創設者で外国人採用支援会社フォースバレー・コンシェルジュ(東京都千代田区)の柴崎洋平社長は「深刻化する人手不足問題にオールジャパンで対応しクリーンな形で解決する」と熱弁を振るった。

 柴崎氏は会見中「クリーン」という言葉を何度も発した。同省が監督指導した技能実習実施者の70%で労働基準関係法違反が認められ、国際社会からも批判を受けているからだ。

 単純労働の実質的な受け皿となってきた技能実習は、少なからぬ企業で劣悪な労働環境など待遇の悪さやコンプライアンス(法令順守)違反から逃亡や失踪といった問題が発生。地域社会にもなじめず、日本を信頼できずに帰国する実習生が相次いだ。言葉の壁もあって、「選ばれる国」ではなくなった。

 柴崎氏は「日本を働く場として選んでくれた外国人が日本を嫌いになるという技能実習のスキームは廃止し、特定技能が補えばいい」と指摘する。このためプラットフォームでは、国内外の悪質なブローカーや受け入れ企業を徹底排除。「クリーンな企業しか紹介しない」ことで特定技能人材の受け入れ・定着を図り、長く暮らせる多文化共生社会をつくる。

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