キャリア

日本にドイツビールの奥深さを カイザーキッチン マーク・リュッテンCEO

 ドイツのモダン料理とクラフトビールの「SCHMATZ(シュマッツ)」を運営するカイザーキッチン(東京・目黒)は今秋から、本場ドイツで醸造したオリジナルビールの提供を始めた。共同創業者のマーク・リュッテン最高経営責任者(CEO)は「約5000種類あるといわれるドイツビールの奥深さを伝えたい。味はそれぞれ違い、それに合う料理を提供することでビール文化を広げたい」と強調、日本でビール革命を起こすと意気込む。

 相性良い料理開発も

 --日本で扱い始めた輸入ビールとは

 「ドイツ・バイエルン地方で150年以上の歴史を持つブルワリー(醸造所)『ホヘンタナ』がシュマッツのために造ったクラフトビールで、10月に3種類を輸入、11月に3種類を加えた。シュマッツにとって本当の意味でのオリジナルクラフトビールが誕生した。10月発売の3種類はおいしさが伝わったようで予想より早く在庫切れになり、びっくりしている」

 --受け入れられた理由は

 「日本のビールはおいしいのに、喉ごしを楽しむため『とりあえず生ビール』と最初の1杯を頼んで飲むというビール文化が定着した。それでもビール市場の拡大に貢献したが、ビール好きに生ビール以外を紹介したかった。そこで食前、食中、食後に飲むビールを輸入し、それぞれ異なる味に合う料理を開発した」

 「10月発売のビールでは『ババリアへレス』がすっきりした飲み口で最初の一杯に最適。ハムカツ、串揚げなど揚げ物との相性がいい。食中は『ジャーマンラガー』。どんな料理にも合わせやすいが特にソーセージなど肉系がお勧め。食後は味がしっかりしている『ドゥンケル』。冬に飲むビールとしてもぴったりだし、デザートとのペアリングもいい。ドイツでは店舗にビールリストが置いてあって『ババリアヘレスをください』といった飲み方をする」

 セミナーで文化浸透

 --日本にはない飲み方だ

 「ドイツのビール文化を広めたいからで、新商品を毎月のように出していき、月1回のペースで来店するリピーターに飲んでほしい。また新しいビールと相性のいい料理の提供だけでなく、店舗でお客さまとメンバー(従業員)のコミュニティーを強くするためにも新商品を提供していく。ビールをテーブルに運んで終わりではなく、ビールについて聞いたり話せたりする場とし、ビール話に花を咲かせてほしい」

 「これこそドイツのビール文化であり、日本にぜひ浸透させたい。その一環として、新型コロナウイルス流行による店舗閉鎖もあって、オンラインセミナーを11月8日に開催した。約40人が参加し、新商品のビールを自宅で飲みながらビールソムリエの話を聞いた。ビール革命を起こすためで、今後も開催していく」

 --2015年に1号店を開業して以来、店舗を順調に増やしてきた

 「日本語を分からず、飲食の経験もなく21歳で来日、共同創業者のクリストファー・アックスCEOとドイツビールとジャーマンソーセージを販売するフードトラックで事業を始めた。日本にモダンドイツ料理と本格的クラフトドイツビールを楽しめるビアダイニングを開設したかったからで、15年に念願のビアダイニングを開業できた」

 「ゼロベースでのチャレンジだったが、提供するビールと料理を日本人に合うように改善しながらおもてなし、つまりアットホームな場づくりに注力してきた。その甲斐あって39店舗まで増やすことができ、ドイツからビールを運べるまでになった。シュマッツの可能性は高いと考えており、何でもチャレンジしていく気持ちは強い」(松岡健夫)

【プロフィル】

 Marc・Luetten 独ヨーロピアン・ビジネス・スクール卒。インターネットビジネス企業の最高執行責任者を経て、2013年カイザーキッチンを設立し、共同創業者・最高経営責任者。29歳。独ハンブルク出身。

                   ◇

【会社概要】カイザーキッチン

 ▽本社=東京都目黒区上目黒1-22-4中目黒駅前ビル3F

 ▽設立=2013年11月

 ▽資本機=4億5000万円

 ▽従業員数=618人

 ▽事業内容=飲食店の企画事業・運営管理・フランチャイズ展開など

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