人事

内閣広報官に小野氏 政権、女性に照準 業者と接触少ない外務省出身

 政府が3日に小野日子外務副報道官を内閣広報官に充てる人事を決定したことで、2代続けて女性が起用されることになった。前任の山田真貴子氏は安倍晋三政権で首相秘書官、菅義偉政権では内閣広報官にそれぞれ女性初で就任するなど「女性活躍」の象徴的存在だっただけに、後任も女性を軸に検討を進めてきた。

 加藤勝信官房長官は小野氏起用の理由について「適材適所」としながらも、こう付け加えた。

 「政府としては女性活躍を推進する観点から人事を行っている」

 政府は山田氏が1日に辞職した直後から後任選びに着手。候補には行政機関トップ、大使経験者ら女性の名前が並んだ。

 内閣広報官は平成13年に新設されたポストで、首相官邸の広報全般を担う。政治家や関係省庁との調整も必要となるため、首相側近は「永田町に土地勘がある人じゃないといけない」と述べ、官僚出身者が望ましいとしていた。ただ、小野氏は局長ポスト未経験で、次官級の内閣広報官に起用されるのは異例の抜擢(ばってき)だった。

 小野氏が内閣副広報官として官邸勤務の経験があるだけでなく、外務省出身である点も後押ししたようだ。

 総務省出身の山田氏は放送事業会社からの高額接待で批判されたが、外務省関係者は「外務省は業者との付き合いが少ない。そこが安全と判断されたのだろう」と語った。記者団の取材に応じた小野氏自身も「利害関係者との会食などは記憶する限りではない」と話した。(児玉佳子)

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