今日から使えるロジカルシンキング

新製品が売れない時代の儲け方 グッチ自ら、中古のグッチを販売したら売れる? (1/3ページ)

苅野進
苅野進

一度は新品で売った自社製品を中古で買い取り

 グッチやサンローランを保有するラグジュアリー製品コングロマリッドの仏ケリンググループが、フランスの中古ブランド品マーケットプレイスのヴェスティエール コレクティブへの出資を発表しました。

 急激な成長を見せている中古流通市場で出資者として利益を得るだけでなく、公認中古品を出品するなど今後積極的に関わっていく予定だということです。新品の購入記録のある顧客に連絡をして、過去に購入したもので転売したいものはないか問い合わせて、買い取っていくシステムも導入するそうです。

 みなさんもお気づきの通り、メルカリなどの急成長により「中古・2次流通市場」は拡大しています。新製品が売れずに、一度売れた製品が転売されていくのです。つまり、新製品を発売するときに、ライバルは自社製品の中古品になってきています。

 グッチの新作を買って欲しいのに、転売されているグッチの中古品にお金が流れている。しかも、中古のグッチの流通によってグッチ本体にはお金は入ってこないのです。そのような状況において、「中古」「転売」を商売とすることが高級なイメージを維持するのに悪影響であった過去とは違うと判断し、「サステナブル」などをキーワードにして本家が参入し始めています。

 ケリンググループの出資は、とても真新しい感じのニュースとして各メディアで取り上げられていましたが、過去に参考事例のある極めて正統な「2次流通への1次流通事業者の進出」です。

 まず最も分かりやすいのは「認定中古車」というビジネスモデルです。かなり大きい「中古車市場」に、製造メーカー自体が進出したものです。製造メーカーが責任をもって扱うのだから、優良な中古車なのだというイメージでシェア獲得を目指しています。また、テレビCM で有名なトヨタのT-UP(現トヨタのクルマ買取)などは、自社製品以外も買い取っていますのでシンプルに中古車市場への進出です。

 また、大リーグでは、公認のチケット2次流通が盛んです。日本でも2020年から横浜DeNAベイスターズがこの制度を始めています。日本でも問題になったチケット二次流通市場に自ら進出することで、市場を安定化させるだけでなく、利益も確保していこうという試みです。

1次流通の「補完」でなくなってきた2次流通

 しかし、長い目でみると個数、顧客数の減少はやはりインパクトが大きく、またビジネスを複雑で難しくします。

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